2017 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータ先導型紛争研究：紛争の潜在的加害者の見える化
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15KT0052
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| Research Institution | National Institute of Informatics |
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Principal Investigator |
水野 貴之 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (50467057)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 立顕 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (10376387)
家富 洋 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20168090)
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| Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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| Keywords | 紛争研究 / ビッグデータ / 複雑ネットワーク / サプライチェーン / 計算社会科学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
「我々が日々の経済活動を通じて気づかぬ間に紛争に加担していることをビッグデータで見える化し，紛争の潜在的な加害者になっていることを認識させることで紛争を身近に感じさせ，紛争解決に向けた国民と企業の規範を形成させる」という目的を達成するために，平成２９年度は，（１）ビッグデータの整備と蓄積，（２）紛争組織の統計分析，（３）紛争と世界経済の統合解析，（４）リスク指標とシステム開発，（５）政策立案の科学的支援のうち，（１）（２）（４）（５）をおこなった．
（１）ビッグデータの整備と蓄積では，紛争と関わる人物・組織の国際情勢の変化を追うべく，引き続きデータを最新の状態にアップデートした．
（２）紛争組織の統計分析では，要注意人物・組織の関係性ネットワークからMapEquationによりコミュニティを抽出（繋がりの強い要注意人物・組織をグループ化）し，コミュニティ内とコミュニティ外の繋がりを可視化した．また，コミュニティ間の階層構造もあきらかにした．
（４）リスク指標とシステム開発では，紛争に関わりの低い企業をホワイトリストとして表示するシステムの開発を進めている．
（５）政策立案の科学的支援では，（４）で開発したシステムを使って，紛争と関わりを持つ可能性の高い企業のリストを実務者と共有し，従来の監視対象から漏れていた企業について調査をおこない，本システムの信頼性をチェックした．また，OECD等の関連する実務機関で，研究成果の共有と，本システムの有用性を発信した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
査読付き論文，査読付き国際会議等による学術界における成果の発信だけではなく，OECD等の関連する実務機関でも成果の発信と共有ができている．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成３０年度も，（１）ビッグデータの整備と蓄積，（２）紛争組織の統計分析，（３）紛争と世界経済の統合解析，（４）リスク指標とシステム開発，（５）政策立案の科学的支援を軸に研究を進めていく．具体的には，
（１）ビッグデータの整備と蓄積では，紛争と関わる人物・組織の国際情勢の変化を追うべく，引き続きデータを最新の状態にアップデートしていく．
（２）紛争組織の統計分析では，（１）において過去３年間で蓄積したデータを用いて，紛争と関わる人物の組織間の移動について調査をおこなう．
（３）紛争と世界経済の統合解析では，紛争が与えるサプライチェーンの変化について米国通関のデータを用いて明らかにする．また，株主関係のデータベースとの接続を行うことにより，紛争への投資マネーの流入についても明らかにする．
（４）リスク指標とシステム開発では，精度の向上をはかる．
（５）政策立案の科学的支援では，世界中から紛争地域に資金が流入する主要経路を塞ぐための企業間の取引規制政策の有効性を，国際会議や実務者の会議において発信していく．また，成果を論文にまとめ発信する．
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| Causes of Carryover |
研究分担者も含め査読付き学術論文誌に論文投稿を計画していたが，平成２９年度末は想像以上に多忙であり，平成３０年度初頭に投稿することとなった．そのため，論文の英文公正費やオープンアクセス費として平成３０年度に使用する．
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