2016 Fiscal Year Research-status Report
超高齢者フレイル対策の提言に資する国際比較共同研究
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15KT0091
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高山 美智代 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60265824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 康通 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20255467)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | 健康長寿 / 超高齢者 / フレイル / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京都心部在住の85歳以上の高齢者(超高齢者と定義)を対象にしたコホート研究、The Tokyo Oldest Old Survey on Total Health (TOOTH)は、超高齢者の健康状態と暮らしぶりに関する包括的な学際的研究で、第1次基礎調査(初年度、平成20~21年度)、第2次追跡調査(3年後、平成23~24年度)、第3次追跡調査(6年後、平成26~27年度)までの縦断研究を完了した。主な調査項目は、健康診査、病歴、身体計測、口腔機能、認知機能、栄養調査、身体活動、パーソナリティ(性格5因子)、精神的健康度、血液・尿検査などである。これらの基礎データから、超高齢者の生命予後(健康長寿)と関連する要因を探索した。 6年間の追跡率は約87%。特に第2次追跡調査以降の脱落が多かった。6年間の死亡率は約35%であった。6年後総死亡に関連する要因として、高齢、男性であることに加えて、認知機能低下、低栄養、やせ、握力低下といったフレイルに関連する要素が重要であることが明らかとなった。食習慣調査からは、緑黄色野菜や果物に多く含まれるベーターカロテンと握力の関連が示された。また、パーソナリティ(性格5因子)の検討では、外向性と誠実性が高い方が精神的健康度が高く、歩行時間などの身体活動量が多かった。これらは健康長寿にも関連があると思われた。そこで、性格5因子と総死亡との関連を多変量解析で検討したところ、性格5因子のうち総死亡と関連があったものは神経症傾向のみで、外向性や誠実性は関連がなかった。神経症傾向は、精神的健康度や認知機能、健康行動などは独立して総死亡と関連を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英国ニューカッスル大学の超高齢者研究(Newcastle85+)との国際比較共同研究として、口腔機能と生命予後、栄養摂取状況等について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年7月に開催予定の国際老年病学会(IAGG 2017)では、ニューカッスル大学の共同研究者とミーティングを予定している。
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Causes of Carryover |
TOOTH 6年後調査の調査協力者のうち、脳MRI検査に参加した方が予定よりも少人数であった。そのため、調査費用(MRI検査費用、交通費、調査協力者謝金、調査補助員人件費など)の支出が予定より少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に開催予定の国際老年病学会(IAGG 2017)への参加費用、並びに、ニューカッスル大学との合同会議開催費用に使用する。 研究成果発表のための論文作成費用やホームページ作成費用に使用する。
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Research Products
(13 results)