2015 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を応用した全脳を対象とする神経活動伝播経路の解明
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15KT0111
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高田 則雄 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (50415212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 健 京都大学, 情報学研究科, 研究員 (70617472)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / 深層学習 / ディープラーニング / dropout / 経路推定 / fMRI / マウス / optogenetics |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の活動は一つの脳領域に留まらず、他の脳領域へ伝搬して行く。本研究の目的は、その 伝搬経路を全脳の神経活動から推測し、伝播経路に規則や特徴が存在するか解明すること である。具体的には脳活動の開始部位と終着部位とが明確な場合に、その間の脳回路を神 経活動が並列にあるいは直列に伝播するのかといった伝搬経路の性質を明らかにする。近 年実現したマウス用fMRIと、脳海馬神経の活動を光照射で操作可能な遺伝子改変マウス(Tgマウス)とを組み合わせて、研究代表者は日本で初めてマウスの光遺伝学的fMRIに成功し 、海馬光活性化時の全脳応答を捉えることに成功した(PLoS One 2015 10:30121417)。海馬光活性化によって動物が走り出すことを見出していることから(Cell Rep 2014 8:311-8)、神経活動は海馬から大脳運動野へ伝播したと想定できる。しかし従来のfMRI解析手法ではこの経路を抽出できなかった。そこで脳細胞間の結合推定法(PLoS Comput Biol 2014:10:e1003949)で全脳を対象とした伝達経路推定を構築する。そして深層学習で開発された正則化法であるdropoutを、ニューラルネットではなく伝播経路推定に初めて適用し、経路数の指数的爆発へ対処することを提案する。以上によって脳内活動伝播の構造を解明する。申請者はすでに麻酔下マウスからの光遺伝学的fMRI(opto-fMRI)計測には成功しているが(PLoS One 2015 10:30121417)、以上の研究を遂行するには、覚醒下のマウスからopto-fMRI計測する必要がある。小動物からのfMRI計測は一般的に麻酔下で行われている。そこで申請者らは、初年度には覚醒しているマウスからfMRI計測する手法を構築した。この結果をまとめた論文が現在査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進捗しているため。具体的には実験においては、覚醒マウスを用いたfMRI計測系の構築に成功した。数理解析においては少数ROIについて実際に解析を実行した。
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Strategy for Future Research Activity |
麻酔下fMRIデータについて少数ROIではなく、十分数なROIを探索し、新規解析手法を適用する。また覚醒下fMRIデータを取得する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Astroglial glutamate transporter deficiency increases synaptic excitability and leads to pathological repetitive behaviors in mice2015
Author(s)
Tomomi Aida, Junichi Yoshida, Masatoshi Nomura, Asami Tanimura, Yusuke Iino, Miho Soma, Ning Bai, Yukiko Ito, Wanpeng Cui, Hidenori Aizawa, Michiko Yanagisawa, Terumi Nagai, Norio Takata, Kenji F. Tanaka, Ryoichi Takayanagi, Masanobu Kano, Magdalena Götz, Hajime Hirase, Kohichi Tanaka
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Journal Title
Neuropsychopharmacology
Volume: 40
Pages: 1569-1579
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Neuronal heterotopias affect the activities of distant brain areas and lead to behavioral deficits2015
Author(s)
Kazuhiro Ishii, Ken-ichiro Kubo, Toshihiro Endo, Keitaro Yoshida, Seico Benner, Yukiko Ito, Hidenori Aizawa, Michihiko Aramaki, Akihiro Yamanaka, Kohichi Tanaka, Norio Takata, Kenji Tanaka, Masaru Mimura, Chiahru Tohyama, Masaki Kakeyama, and Kazunori Nakajima
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Journal Title
Journal of Neuroscience
Volume: 35
Pages: 12432-45
DOI
Peer Reviewed
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