2005 Fiscal Year Annual Research Report
アザラシ型位置決め機構を用いたメゾ/マイクロ/ナノマニピュレータの開発
Project/Area Number |
16078214
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
古谷 克司 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (00238685)
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Keywords | 圧電アクチュエータ / 位置決め / 移動機構 / パルス密度変調 / 摩擦 / 真空 / クランプ / 残留振動 |
Research Abstract |
近年,ナノテクノロジー,微小電気機械システム(MEMS)技術の進展は著しいが,実用化にあたっては従来の寸法の機械とのギャップが存在し,それを埋める必要性が叫ばれている.そのため,中間のメゾスケール機械にも注目が集まっている. 本研究では,平成21年3月までにナノメータからミリメートルオーダまでの領域で物体を操作・観察するシステムのための位置決め機構を開発することを目的とする.そのために,粗動と微動を一つの小型の機構で実現するアザラシ型機構を用いる. 本年度は以下の2点について検討した. 1.高速化・高分解能化のための機構の設計と試作 1自由度アザラシ型機構を製作した.高速化のために,これまで摩擦機構として用いていた電磁石の代わりに,圧電素子によるクランプを採用した.これにより,クランプ部の共振周波数を5kHz程度まで高めることができた.電流パルスをパルス密度変調することで高分解能送りを実現する方法を適用した駆動回路を用いて粗微動位置決めを行った.機構自体の振動減衰が小さいため,位置決め時に残留振動の影響があることが明らかになった. 2.超高真空下における動作特性試験機の開発 電子顕微鏡内や宇宙環境などの通常環境以外でも動作できる機構とすることが求められる.真空チャンバ内で摩擦摩耗試験を行うための試験機を設計,製作した.現在,摩擦試験機の負荷部および測定部にあたる弾性ヒンジを製作中である.微小な摩擦力の検出のために,平行ばね機構を利用した検出器とした.設計には有限要素法ソフトを用いた.今後,摩擦試験の対象となる試料に放電加工による表面処理や一般の表面処理を施し,小型移動機構に適したしゅう動面の特性を解明する予定である.
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