2007 Fiscal Year Annual Research Report
アトラス実験での精密測定と標準理論を超えた物理の研究
Project/Area Number |
16081210
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岩崎 博行 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (40151724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敬比古 素粒子原子核研究所, 教授 (30150006)
佐々木 修 素粒子原子核研究所, 准教授 (30178636)
寺田 進 素粒子原子核研究所, 講師 (70172096)
中野 逸夫 岡山大学, 自然科学研究, 教授 (90133024)
原 和彦 筑波大学, 数理物質科学研究科, 講師 (20218613)
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Keywords | アトラス / LHC / 標準理論 / 複合粒子 / 超対称性粒子 / 余剰次元 / シリコン検出器 / データ収集 |
Research Abstract |
シリコン飛跡検出器(SCT)は、地下実験室のアトラス測定器本体の最終使用位置に組み込まれた後総合試験を実施した。それにより、組込みやサービスケーブル類の設置により問題が発生していなしか、また最終設置位置や最終的なグランド接続・電気シールド方法で、暗電流や固有電気雑音が個々のモジュール組み立て時の品質検査の特性と変わらないことなどを確認した。2007年12月末にはSCTバレル部の全モジュールの試験後、SCTと遷移輻射飛跡検出器(TRT)のタイミング調整を行い、2008年2月に宇宙線を観測した。また履歴データを簡便にモニター表示するプログラムやヒットストリップ数を表示するプログラムの整備をおこない、測定器の運転状況を簡単に素早くフィードバック出来る環境整備を進めた。 データ収集システムでは、イベントビルディング(測定器の各部から並列に来るデータを超高速でイベント毎にまとめる装置)開発の一環として、イベントビルディングシステムの状況の監視と不具合の早期発見、その不具合に対する対処を行うためのツールの開発を行った。またエンドキャップ音ミューオントリガー検出器のトリガーとデータ収集系のテスト信号や宇宙線などを用いての最終試験を行った。 物理解析関係では、実験開始を控えより精密な測定器シミュレーションを行い、本番の実験での解析方法のパフォーマンスの評価、および標準理論から予想されるバックグラウンドの評価を行った。またSCTが重要な役割を果たすb-quark起源のジェット(b-jet)の同定に関する研究や、標準理論を拡張した模型で予言されている、様々な重いゲージボソンZ'についても研究を進めた。
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Research Products
(22 results)