2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリウム照射による対向材料の特性劣化機構解明とその計測法の開発
Project/Area Number |
16082206
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 和俊 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40227583)
渡辺 英雄 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (90212323)
岩切 宏友 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80325480)
坂本 瑞樹 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (30235189)
相良 明男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20187058)
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Keywords | アルファー粒子計測法 / ヘリウム照射損傷 / プラズマ・壁相互作用 / プラズマ対向材料 / ヘリウム・欠陥相互作用 / タングステン |
Research Abstract |
第一ミラーの光反射率に対するヘリウム照射効果の研究が大きく進展した。種々の条件でヘリウムイオンを照射したモリブデンの光反射率を、紫外から赤外にいたる広い波長範囲(250nm〜23μm)で計測した。反射率劣化は昨年度報告した紫外一可視領域のみならず赤外領域でも顕著であり、波長の長いレーザーを使うことが多いプラズマ計測にとって大きな問題であることがわかった。反射率の低下は3x10^<21>He^+/m^2の照射ですでに顕著で、照射量の増加とともに更に低下する。また、照射温度が高いほど劣化が激しい。例えば、ヘリウムイオンを室温、573K及び873Kで照射した際の波長690nmの光に対する反射率は、それぞれ照射前の86%、85%および47%にまで減少する。光反射に寄与する表面直下層にはナノサイズのヘリウムバブルが限界まで形成されていること、この領域の光消衰係数が大きく減少することなどから、反射率の低下は、ヘリウムバブルの形成によってもたらされたナノサイズのポーラス状態が原因であると結論した。また、低下した反射率の回復法として1273Kまでの焼鈍および金属薄膜の蒸着が有効であることを示し、そのメカニズムを明らかにした。 第一ミラーはポート内に置かれるためポート内での照射環境を明らかにする必要がある。本研究では、LHDのポート内にモリブデンなどの金属試料を置き、ヘリウムプラズマ放電に曝す実験を行った。荷電交換により発生した中性ヘリウム粒子による激しい照射損傷が起こり、その平均エネルギーおよびフラックスは約1keVおよび約1x10^<19>He^0/m^2sと評価された。約1000秒間プラズマに曝したモリブデンでは光反射率の劣化が起こり始めていることも確認した。 このほか、ダイバータで問題となるタングステンにおける1273K以上の高温領域での低エネルギーヘリウムイオン照射効果についての理解が進展した。
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Research Products
(7 results)