2007 Fiscal Year Annual Research Report
配偶子形成におけるプラスチドの役割と葉緑体への分化・維持に関する研究
Project/Area Number |
16085207
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 亘 Okayama University, 資源生物科学研究所, 教授 (20222002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 良 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教 (80403476)
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Keywords | 葉緑体 / プラスチド分化 / 配偶子形成 / シロイヌナズナ / 植物オルガネラ |
Research Abstract |
本研究ではこれまでに得たプラスチド分化に関わる変異体系統、すなわち(1)斑入り変異体var2とその復帰変異体fug1、および、(2)花粉のプラスチドDNA分解に関する変異体dpd1について引き続き解析を行い、以下の結果を得た。 (1)FtsHによる光化学系II反応中心タンパク質D1の分解 斑入り変異var2の原因となる遺伝子VAR2は、チラコイド膜のFtsHメタロプロテアーゼをコードしており、基質としてD1が指摘されている。光阻害を受けたD1の分解は光化学系修復サイクルの律速段階であり、光障害に多大な影響を及ぼす。var2 fug1を用いると葉に斑を生じない均一な組織が得られるので、生化学的なプロテアーゼの実験が容易に行えることがわかったので、これらを用いてD1の分解にFtsHが関与するかを調べた。葉緑体の翻訳阻害剤リンコマイシンを添加した葉による強光阻害実験で、var2 fag1ではD1の分解に遅延が生じることを今年度は証明し、FtsHのD1分解への関与を明確に示すデータが得られた(現在投稿準備中)。さらに、昨年度に引き続き、var2の緑色組織において高レベルに発現する活性酸素について詳細な解析も進めた(現在継続中)。 (2)花粉のプラスチドDNA分解に関与するdpd変異体の解析 DNA特異的蛍光試薬DAPIを用いたスクリーニングにより、昨年度までにオルガネラDNAが花粉で分解されない変異体(dpd)を数系統得ており、原因遺伝子について解析を進めた。今年度は、その中の一つである1411変異体について詳細な解析を進め、原因遺伝子の特定を完了し、コードされるタンパク質の機能解析を進めた。1411の原因遺伝子がコードするタンパク質はヌクレオチド代謝に関わることが予想されたので、この機能解析と既知の因子であるDPD1との関連性について詳しく調べた。
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[Journal Article] The balance between protein synthesis and degradation in chloroplasts determines leaf variegation in Arabidopsis yellow variegated mutants.2007
Author(s)
Miura, E., Kato, Y., Matsushima, R., Albrecht, V., Laalami' S., and Sakamoto, W.
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Journal Title
Plant Cell 19
Pages: 1313-1328
Peer Reviewed
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