2005 Fiscal Year Annual Research Report
X線結晶構造解析法による光合成系II膜蛋白質複合体の機能制御機構の研究
Project/Area Number |
16087102
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
神谷 信夫 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60152865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 郁子 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (40271176)
逸見 隆博 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 博士研究員 (30419692)
沈 建仁 岡山大学, 理学部生物学科, 教授 (60261161)
池内 昌彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20159601)
中里 勝芳 日本大学, 文理学部, 助教授 (50172292)
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Keywords | 光合成 / X線結晶構造解析 / 膜蛋白質 / 超分子 / 光エネルギー変換 / 酸素発生 |
Research Abstract |
本研究は,大阪市立大学,岡山大学,東京大学,日本大学の4カ所を拠点として展開している.大阪市立大学では,平成17年度から新たにラン藻培養系を立ち上げ,野生型PSIIについてはその結晶化を再現し,SPring-8における回折実験を行った.PSIIの反応中心コアは10種類以上の低分子量サブユニットに取り囲まれており,大阪市立大学では特定の低分子量サブユニットを欠失した変異体PSIIの結晶化を進めた.なおこの変異体は下記の研究分担者(東京大学)から提供されたものである.岡山大学では,SPring-8における回折実験のための結晶を準備するとともに,新たにハンギングドロップ蒸気拡散法による結晶化を試み,数日で成長する結晶を調製することに成功した.この結晶は従来からの結晶と同じ空間群に属し,従来と同等あるいはそれ以上の分解能の回折データを与えた.PSIIの精製標品ではこれまで,2週間程度の結晶化期間に膜表在性の12kDaサブユニットが部分分解される問題があった.今回得られた新しい結晶は,この部分分解を回避してさらに回折分解能を向上させる可能性がある.東京大学ではこれまでに,低分子量サブユニット欠失変異体6種類について既にクローニングに成功している.それらは大阪市立大学と岡山大学にて結晶化のための大量培養と変異体PSIIの精製条件の検討が進められている.日本大学では,結晶化の進行につれて溶液の蛋白質濃度を時系列的に測定し沈殿剤の濃度を制御して,蛋白質の過飽和度を溶解度曲線の近くに保って結晶化するミクロ透析結晶化ロボットを開発し,実際にPSIIの結晶化に応用する準備を整えた.
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Research Products
(7 results)