2007 Fiscal Year Annual Research Report
X線結晶構造解析法による光合成系葬膜蛋白質複合体の機能制御機構の研究
Project/Area Number |
16087102
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
神谷 信夫 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (60152865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 郁子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40271176)
沈 建仁 岡山大学, 理学部生物学科, 教授 (60261161)
池内 昌彦 東京大学, 大学総合文化研究科, 教授 (20159601)
中里 勝芳 日本大学, 文理学部, 准教授 (50172292)
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Keywords | 光合成 / X線結晶構造解析 / 膜蛋白質 / 超分子 / 光エネルギー変換 / 酸素発生 |
Research Abstract |
平成19年度は,光合成系II膜蛋白質複合体(PSII)の結晶構造解析に関し,以下の研究成果を得た. (1)好熱性ラン藻の培養条件,PSIIの精製と結晶化の条件について最適化の作業を継続し,長さで1mm,厚さで0.3mmを越える大型の良質結晶の調製に成功した. (2)PSIIに内包されるマンガンクラスターは,水を分解して空気中に分子状酸素を放出している.その詳細構造は世界中の光合成研究者から注目されているが,激しいX線損傷のためにその構造はいまだ確定していない.我々は上記の大型結晶を利用し,新しいX線損傷低減法を開発して,X線損傷前の構造に対応する回折強度データの収集に成功した. (3)PSIIの全体構造については既に報告されているものの,10種類を越える低分子量の膜貫通サブユニットの内3種類についてはいまだにその位置の同定も行われそいない,我々は,低分子量膜貫通サブユニットの変異体4種類の結晶構造解析と機能解析を完了させ,未同定サブユニットの一つについてその配置を確定させることに成功した. (4)PSIIのマンガンクラ界ター近傍にはCl^-イオンが存在し酸素発生反応の活性発現を制御していることが知られている.しかしながらこれまでの構造解析ではマンガングラスター回りにCl^-イオンは見いだされていない.我々はC1^-イオンをBr^-イオンとI^-イオンに置換した試料について結晶構造解析を行い,C1^-イオンの位置を世界で初めて確定させることに成功した.
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