2004 Fiscal Year Annual Research Report
カンパニア地方の都市とヴィッラ集落をめぐる社会史的研究
Project/Area Number |
16089202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本村 凌二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40147880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 康成 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10116056)
池上 俊一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70159606)
松本 宣郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60011368)
樋脇 博敏 東京女子大学, 文理学部, 助教授 (70251379)
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Keywords | ローマ帝国 / カンパニア / 社会史 / 心性史 / 表象文化 / 言語文化 / 都市 / ヴィッラ |
Research Abstract |
本年度は研究全体の初年度であるので、準備期間として位置づけ、基本的な資料、と研究文献の収集および問題点の検討に努めた。そのために本村と松本ほか数名の研究協力者が現地調査を行い、今後の研究の可能性について多様な視点から問題点を開示することになった。具体的には、ポンペイおよびエルコラーノの都市遺跡とその周辺に散在するヴィッラ集落をめぐり、生活空間の利用の仕方について比較検討に値する素材を探してみることだった。その結果として、ポンペイおよびエルコラーノの3つの街区が調査地域として浮上している。また、ヴィッラ集落としてはボスコレアーレ遺跡を始め、4つの候補地があがっている。さらに、本特定領域研究の青柳チームの発掘するソンマ遺跡の調査結果もヴィッラ集落における生活空間と人間行動の関係を考える上で重要な示唆を提供するものである。というのも、同じような火山罹災地であっても、ヴェスヴィオ山の南側と北側では著しい差異が見られるからである。このような比較研究の豊富な素材について、研究会で検討し、なかでも発掘時の報告記録まで遡って調査すべきことが今後め課題として明らかになっている。それとともに、碑文をはじめとする言語資料の収集と整理を行い、また一部の遺跡については写真および映像等による表象資料の収集を行っている。言語資料については、これらの地に住む人々の地域的なアイデンティティを考える上で人名の命名法の特徴を分析すること、さらに古代人の心性を考える上で神々の崇拝について碑文の地域的・時代的特質を解明することなどの展望が開けている。
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Research Products
(5 results)