2004 Fiscal Year Annual Research Report
火山噴火罹災地の歴史的庭園復元・自然環境変遷とランドスケープの保全活用
Project/Area Number |
16089205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90112474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 信男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012040)
西村 幸夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20159081)
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授 (80221852)
宮脇 勝 千葉大学, 工学部, 助教授 (30280845)
大久保 悟 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30334329)
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Keywords | 遺跡の保存と活用 / 防災 / Annurca / 果樹園 / 自然・文化資産 / 自然環境 / 保全 / GIS |
Research Abstract |
1.保全型都市計画の比較研究:歴史性を尊重した環境保全計画の国際比較を行い、イタリアの風景計画の特質を明らかにした(西村幸夫:都市計画保全計画、東大出版会)。 2.風景計画を生かした地域づくりの検討:ナポリ地域のポッツォーリ市において文化財保護と災害防止の観点からの風景計画と都市計画の連携について考察を進め、両者の連携による地域づくりが有効であることを明らかにした(宮脇勝・武内和彦・鹿野陽子、都市計画論文集)。また、ナポリ市において都市周辺の農地を歴史的景観として保全するために果樹栽培等の伝統的な段々畑の地域に立案された州立公園計画を調査した。これらの成果をもとに、国際シンポジウム「火山噴火罹災地の文化・自然環境復元」(2005年2月、東京大学大学院人文社会系研究科主催)において伝統的農業保全の文化性・今日性という観点から地域計画の方向性について発表した(武内和彦・鹿野陽子・宮脇勝)。 3.デジタル標高モデルと衛星画像の収集と編集、地質図と集落地図のデジタル化:予察的解析を行った結果イタリアのソンマ・ベスビアーナ地域が水資源と地形に関してベスビオ山麓では特異であることが示唆され、この成果を上記のシンポジウムにおいて発表した(小口高・林舟・小松吾郎・津村宏臣)。さらにベスビオ火山、ピナツボ火山の地形・地質・水文環境の現地調査を行った。 4.形態的特徴が文献や壁画のものと一致することから古代より栽培され続けてきたとされるリンゴAnnurcaの現地調査:この品種は、貯蔵性に優れるが栽培に労力がかかるため競争力を失い、リンゴ園は消えかかった。しかし1995年に地域の気候に適した古い品種を見直すプロジェクトによって復興、現在の市場では郷愁や風景を思い起こさせるものとして北部産のものより高値で取引されていることがわかり、この成果を上記のシンポジウムにおいて発表した(杉山信男)。
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Research Products
(7 results)