2006 Fiscal Year Annual Research Report
火山噴火罹災地の歴史的庭園復元・自然環境変遷とランドスケープの保全活用
Project/Area Number |
16089205
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (90112474)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 信男 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (30012040)
西村 幸夫 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20159081)
小口 高 東京大学, 大学院空間情報科学センター, 助教授 (80221852)
宮脇 勝 千葉大学, 工学部, 助教授 (30280845)
青木 賢人 金沢大学, 文学部, 助教授 (30345649)
|
Keywords | 国際研究者交流 / イタリア:イギリス:フィリピン / ランドスケープ / 遺跡の保全と活用 / 自然環境 / 防災 / 火山 / GIS |
Research Abstract |
炭化植物遺体のサンプリングと種の同定:日伊の地質学者との意見交換・協議体制を確立し、噴火以降の堆積物から構造的に炭化植物遺体のサンプルを抽出することが可能になった。ナポリ大学農学部との連携強化に努め、日本からの客員研究員の受入(本年度以降毎年度1〜2ヶ月間)も開始し、分析機器拡充にあわせて現地での研究環境整備の効果が成果に現れて、分析結果の蓄積(Pinus pinea, Castanea sativa, Abies alba, Quercus tipo sempreverde, Quercus tipo caducifoglie等)が飛躍的にすすんだ。本年度の発掘の進展により、年度当初に想定されていた全体の空間構成の仮説が崩れたため、本年度も庭園らしき地点からのサンプリングはできなかったが、塵芥投棄場所や貯水槽、竈と類推される地点から多数の炭化植物遺体の検体を抽出。土層ごとにカテゴライズした検体の放射性炭素(^<14>C)による年代測定に着手。検出した植物遺体のうち炭化をまぬがれた木片(Castanea sativa, Quercus tipo sempreverde)を用いてdual-suppression法によってマイクロサテライトマーカーの単離、プライマー設計を試みた。 発掘庭園整備について、日伊の理念・方針の比較研究を実施。その結果、(1)遺跡の保存、(2)遺跡の価値の表現、(3)遺跡に対する今日および将来的な役割の付与、が共通整備課題として導き出されたが、同時進行で実施した事例検証の結果、(1)遺構面(生活層)の保存、(2)庭園景観の再現、について日伊の事例に著しい差異があることが明らかになり、今後の比較研究の蓄積と協議の進展から、新規性のたかい整備計画を生み出せる可能生が示唆された。 英国やイタリアの研究者と情報交換を行いつつ、GISによる流域・水系分析によりヴェスヴィオ火山およびピナツボ火山の水環境分析を実施。洪水堆積物の調査による古流水環境の復元を試みた結果、噴火当時の本研究対象地の環境は、上流から出水しやすかった可能性は残るものの、生活水を得るには不十分な土地であったと考察された。 これまでに収集した都市マスタープランや地籍図等を用いて集落環境の変遷を分析し、自然災害後の住環境再生における農地保全と公園整備の計画論的有効性の調査および実態調査を実施。
|
Research Products
(20 results)