2006 Fiscal Year Annual Research Report
血栓の形成・崩壊・移動および塞栓とその成長による重要臓器梗塞の力学的メカニズム
Project/Area Number |
16200031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 隆美 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (30101843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 拓司 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20313728)
坪田 健一 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (10344045)
今井 陽介 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (60431524)
和田 成生 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (70240546)
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Keywords | 生物・生体工学 / 血流 / 生体力学 / 粒子法 / マイクロPIV |
Research Abstract |
計算力学的アプローチでは,微小循環における流動構造を解析する上で重要となる赤血球の粒子法モデリングを行い,赤血球の変形能の低下およびヘマトクリット値の変化が血液流動に与える影響について検討した.本モデルでは赤血球膜を構成する粒子同士を弾性膜によって結合することで赤血球の変形能を表現している.昨年度までに開発した血小板血栓シミュレータと本モデルを統合することで実際の微小循環の血小板血栓形成解析に応用が可能となり,さらには血小板と赤血球によって形成される二次血栓形成を解析できるシミュレータとなった.Massage Passing Interface(MPI)を用いた並列計算コードへと発展させ,大規模解析へ対応させた. 実験的なアプローチでは,昨年度までに構築した共焦点マイクロParticle Image Velocimetry(PIV)システムを用い,マイクロチャネル内において血栓の形成を確認した.Polydimethylsiloxane(PDMS)で作成した分岐,狭窄などの流路形状における流動構造を明らかにするとともに,様々な流路形状に対して3次元的流動構造を観察できるシステムであることを示した.またデキストラン濃度を変化させた実験を行い,赤血球の凝集における血漿タンパクの影響を評価した.さらに血球の変形や血球同士の干渉など血球動態の詳細な検討のため,血球をラベリングして観察する共焦点マイクロPTVシステムを新たに構築した.
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