2004 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分解能NMRおよびESR分光法による新しい文化財分析法の開発
Project/Area Number |
16200049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江口 太郎 大阪大学, 総合学術博物館, 教授 (50107083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥塚 隆 大阪大学, 総合学術博物館, 教授 (90027988)
福永 伸哉 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50189958)
藤岡 穣 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (70314341)
谷 篤史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10335333)
豊田 二郎 大阪大学, 総合学術博物館, 助教授 (70249952)
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Keywords | 文化財科学 / 固体高分解能NMR / ESR / 埴輪 |
Research Abstract |
NMRやESR分光法を用いた美術工芸品や考古遺品の新しい年代測定法、産地同定法の開発をめざした方法論の確立を行うには、これら手法に適した試料の選択が必要不可欠である。そこで、平成16年度は仏教寺院遺跡の石材・煉瓦、埴輪・陶磁器、琥珀等の資料収集を第一の目的として行った。埴輪試料については、古墳時代後期(紀元後6世紀)に築造された兵庫県勝福寺古墳出土の埴輪を入手すべく、遺跡から出土した埴輪の基礎的な整理作業として、出土品の実測、胎土の肉眼およびデジタルマイクロスコープによる観察と記録、そして写真撮影を進め、考古学的な基礎的作業を終了した。同時に関連する円筒埴輪の集成を進めた。その結果、京都府、滋賀県、岐阜県、愛知県にわたり、19遺跡において類似する資料が確認できた。以上の中間的な成果を考古学研究会関西例会第128回例会(大阪歴史博物館、2004年5月29日)において、「兵庫県川西市所在勝福寺古墳の調査-後円部に2つの横穴式石室をもつ古墳の調査-」(寺前直人)と題したスライド報告を行った。この他にも、アンコールワット寺院遺跡の煉瓦や石材、日本各地の琥珀などの文化財資料を入手した。これらについて、予備的な^<13>cおよび^<29>Si MAS NMRの測定を行い、適切な資料前処理の方法やNMR測定条件の検討を行った。これと平行して、NMR分光法を文化財科学へ応用するための基礎的研究として、固体高分解能NMR法を用いた固体構造の研究を行い、いくつかの雑誌論文にまとめた。また、ESR画像計測装置の感度向上にむけた装置改良として、外部ロックインアンプを用いてESR信号対ノイズ比の向上をはかることにより,計測時間の短縮化と高分解能化に成功した。
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Research Products
(8 results)