2007 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分解能NMRおよびESR分光法による新しい文化財分析法の開発
Project/Area Number |
16200049
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江口 太郎 Osaka University, 総合学術博物館, 教授 (50107083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 貴洋 大阪大学, 総合学術博物館, 准教授 (70294155)
福永 伸哉 大阪大学, 大学院・文学研究科, 准教 (50189958)
宮久保 圭祐 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70263340)
谷 篤史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10335333)
肥塚 隆 大阪人間科学大学, 学長 (90027988)
|
Keywords | 文化財科学 / 固体高分解能NMR / ESR / 細孔構造 / ガスハイドレート |
Research Abstract |
大阪大学豊中キャンパスの2箇所で採集された土器片試料と,川西市勝福寺で採集された試料について,29SiMASNMRスペクトルを測定した。試料の採集地と得られたスペクトル形状の相同性から、同一採集地のスペクトルがかなり類似していることを見出した。また、これらのスペクトルは強度比のわずかな違いを除けば、違う採集地の間でも類似性がみられることを見出した。 キセノンNMRを文化財科学へ応用するにあたり、細孔構造や細孔径が知られている代表的なアルミノケイ酸塩について129Xe化学シフト値の細孔内キセノン密度依存性を検討し、吸着キセノンの局所構造であるXe_nクラスターのサイズ分布を調べた。さらに、キセノンNMRの感度を飛躍的に向上できる超偏極キセノン発生装置の構築を行った。 谷らは、日本海の堆積物に含まれる石英微粒子を抽出し、そのESR信号から酸素空格子を定量評価した。これにあわせて、中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠の試料も採取し、計測を行った。その結果、氷期・間氷期でESR信号強度が大きく異なるだけでなく、ダンスガード・オシュガーサイクルと呼ばれる百年〜千年周期の気候変動の記録も読み解くことができた。さらに、地球の気候変動に対し時間軸を提供するという観点から、メタンハイドレートの年代測定法の開発を試みた。海洋堆積物からの自然放射線によりメタンハイドレートに生成するラジカル種を用いた年代測定が可能か検証を行った。その結果、エタン量の増加が天然試料の経時変化に関係していることがわかった。 伝統医薬品として医療で使用されている生薬の鑑別、品質維持と有効性の解明は、歴史的検証と最新の解析が必要である。本学に保存されているドイツメルク標本収蔵品について、Rhizoma CurcumaeとしてCurcuma longa表記標本の品質に関する指標因子探索を目的として、現在のCurcuma属市場品を用いた成分組成及び薬理作用の比較検討を行った。Caco-2細胞(ヒト大腸癌由来株細胞)を1α,25dihydroxyvitaminD3(250nM)含有培地で3週間培養することにより、Cytochrome P450 3A4誘導発現を、mRNA、蛋白、活性レベルで確認できる生薬製剤の有効性に対する評価系を確立した。
|
Research Products
(18 results)