2006 Fiscal Year Annual Research Report
IT技術に基づく雷活動実時間監視システムとその情報網・電力網制御への応用
Project/Area Number |
16201034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河崎 善一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60126852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 知雄 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50332961)
森本 健志 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (60403169)
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20273120)
舟木 剛 京都大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20263220)
松田 崇弘 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (50314381)
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Keywords | 自然現象観測 / 減災 / 大気電気学 / ネットワーク技術 |
Research Abstract |
本年度は,前年度までに関西圏の3箇所(大阪府吹田市および堺市,兵庫県神戸市)に設置した雷観測用VHF波帯広帯域ディジタル干渉計について,実用型アプリケーションソフトウェアの開発を行った。本ソフトウェアは雷放電の解析・観測に特化したものであり,直感的な操作により容易に扱うことができるよう設計している。おおよそ1flashの雷放電に相当する1データ単位について,受信信号の時間波形・周波数スペクトル・方位角・仰角などあらゆる情報をグラフィカルに出力でき,求められていた雷放電観測環境を実現している。また,ディジタル干渉法の重要な処理過程である位相差の不確定性について,標定精度向上のための新しい手法を提案し,その有効性を検証した。提案手法は低い周波数成分における位相差の誤差が大きいパルスの標定に有効であり、これまで正しく標定できなかったパルスに対しても,その入射角を正しく標定することができる。その結果,雷放電路がより鮮明に再現されることを確認した。阪神間広帯域干渉計ネットワークによる雷嵐活動監視について示した。これらの改良を行った上で,准実時間での三次元化に関わるデータ転送およびデータ処理アルゴリズムとソフトウェアの開発,ネットワークの構築を行った。この結果,関西圏で発生した雷活動について,雷雲の発達から衰退までの一連の雷活動を,各観測地点で観測,一次処理の後大阪大学へ転送,ここでデータ統合,処理し情報配信というスキームを可能としている。本システムの高い分解能により観測領域内で同時に複数の雷活動が発生した場合も、それぞれの活動を監視することが可能である。これらのデータは,情報網・電力網の能動的耐雷制御に極めて有効なものである。
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Research Products
(5 results)