2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16204009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
時弘 哲治 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (10163966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神保 道夫 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (80109082)
國場 敦夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70211886)
西成 活裕 東京大学, 大学院工学系研究科, 准教授 (40272083)
薩摩 順吉 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70093242)
中村 佳正 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50172458)
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Keywords | 可積分系 / 離散系 / 超離散系 / セルオートマトン / 可解格子模型 / クリスタル / 箱玉系 |
Research Abstract |
本年度の主な成果は以下の通りである. (1)周期箱玉系の初期値問題を組み合わせ論的手法により解いた.この結果をクリスタルの立場からベーテ仮説法を用いてといた結果と比較し,超離散化という立場からベーテ仮説法の組み合わせ論的な意味を明らかにした.また,初期値問題の解を陽に表示し,この表示がリーマンのテータ関数のアナログあることを見出した.周期箱玉系の保存料とKKR bijectionとの関係を明らかにした. (2)離散可積分系からの簡約を用いてリヤプノフ関数が明示される離散写像を見出し,そのエントロピー増大を議論した.さらに離散写像の一般化と超離散化について議論した.また,連立2次方程式系を用いて3次の離散可積分方程式系を構成した. (3)交通流のモデルとして考えられるASEP(asymmetric simple exclusion process)の周期境界条件の下での厳密解を,ランダムおよび同時更新の2種類の時間発展規則に対して研究した.そして,その分配関数および平均速度がガウスの超幾何関数を用いて表示できることを見出した.さらに,システムサイズによる展開を用いて,平均速度の漸近的な振る舞いを明らかにした. (4)shifted integrable schemesを用いて,従来よりも精度高く計算時間も短い特異値計算が可能になりうることを示した. (5)Sine-Gordon型方程式の離散化に対する一般的な手法を議論した.また離散非線形シュレディンガー方程式のいわゆるダークソリトン解がカソラチ行列を用いて表示できることを示した.そして広田の双線形方程式を利用して離散パンルベ方程式を導出する手法を示した. (6)量子可積分スピン系の相関関数を代数的に表現した.また,有限長のハイゼンベルグ反強磁性スピン系に対する密度行列を考察した.
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Research Products
(6 results)