2006 Fiscal Year Annual Research Report
人口減少・少子高齢化時代における地方都市の双対型都市戦略に関する研究
Project/Area Number |
16206053
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 良嗣 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00133091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 守 岡山大学, 環境学研究科, 教授 (00212043)
土井 健司 香川大学, 工学部, 教授 (10217599)
佐々木 葉 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00220351)
杉原 健一 岐阜経済大学, 経営学部, 教授 (80259267)
冨田 安夫 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (60237120)
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Keywords | 都市再生 / 持続可能な都市 / 少子高齢化 / 街区再構築ビジネスモデル / QOL(生活の質) / 3次元GIS / 街区景観評価 / 社会的コンセンサス |
Research Abstract |
人口減少・少子高齢化進行下における地方都市の双対型都市戦略の必要性とその具体的な方法論について、愛知県豊田市を対象都市として以下の検討を行い、これらを組み合わせた都市コンパクト化評価の体系をまとめ上げた。 1)都市内を約500m四方に細分化したメッシュ単位で、そこに居住することによって得られるQOL(Quality of Life)および必要となる市街地維持コストを計算するモデルシステムをGIS上に開発した。ここでQOLを人間の余命単位で求める新しいコンセプトが導入されている。さらに、QOLを市街地維持コストで除した値を用いて、市街地としての維持を中止する地区と集中利用する地区を見出す方法を提案した。 2)都市コンパクト化を進めるための戦略検討として、将来人口予測と地区別人口変化の様々なケースを設定し、道路・公民館・下水道といった代表的な公共施設の撤退再整備シナリオを定め、それに基づく負担の世代バランスを分析した。 3)都市コンパクト化策の影響を評価するために、地区群に対して評価指標をセットとしたカルテを作成し評価地区に当てはめるSLIMCITYモデルを適用して検討を行った。 4)コンパクト化した地区における交通システムとして、自動車共同利用システムの潜在需要を分析した結果、約35%程度の保有自動車を削減可能であり、特に軽自動車保有世帯や人口密度の高い駅周辺地域で潜在需要が大きいことが示された。 5)QOLが高くコストが小さい都心居住を推進するための街区デザインを提案し、さらにそれを住民に評価してもらうためのツールとしての、CGとしての建物自動生成システムの開発を進めた。 6)高解像度衛星画像にリモートセンシング手法を適用し、地上の詳細被覆分類とともに熱環境を予測できるモデルを構築し、市街地コンパクト化による地表面の熱の緩和を評価した。 7)郊外からの計画的な撤退を実現するための具体的政策手段の一つとして、開発権取引市場の提案を行うとともに、この制度導入の経済的影響を定量的に評価する方法を提案した。
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Research Products
(22 results)