2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己形成面内変調人工格子の作製と磁気機能性材料への応用
Project/Area Number |
16206067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00187981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 誠司 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20250813)
嶋 敏之 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50261508)
吉見 亨祐 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80230803)
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Keywords | 磁性薄膜 / 人工格子 / 変調構造 / 磁気特性 / 自己形成 / 自己組織化 / ナノドット / 点欠陥 |
Research Abstract |
本研究では、膜面内にナノスケールの変調構造を有する磁性金属人工格子を作製し、磁化、磁気異方性、磁気抵抗効果、磁気光学効果など、さまざまな磁気特性の評価を行い、面内変調構造に伴う優れた磁気機能性を見出し、磁性人工格子の研究に新たなブレイクスルーをもたらすことが目的である。 本年度は、主にMgO単結晶(100)面上のFeの成長に着目し、Feナノドット配列の制御に関する実験を行なった。MgO基板上に成長させたFe層の表面モルフォロジーはFe層の厚みよって大きく変化し、厚みが10nm以下のとき、Feのピラミッド状の構造が配列する現象を走査トンネル顕微鏡と透過電子顕微鏡によって確認した。興味深いことに、この配列は一方向性を有しており、走査トンネル顕微鏡像において、Feナノドットの明瞭な方向配列構造を見出した。断面透過電子顕微鏡像から、MgOとFeの界面付近にミスフィット転位が存在し、それがほぼ周期的に配列していることも分かった。MgOとFeの格子不整合とその緩和がFeナノドットの1方向配列構造の起原となっていると考えられる。さらに、このような構造の上にMgOトンネルバリア層と孤立Feナノドット層の形成を行なった。下部Fe層のモルフォロジーが転写され、MgOトンネルバリア層を隔てた孤立Feナノドット層にも1方向配列構造が形成されることが見出された。方向配列とともに平均粒径および粒径分布の減少が生じることも分かった。単一電子トンネル効果を用いた磁気抵抗材料の開発に有用な結果である(論文投稿中)。 また、高保磁力材料の開発を狙って、B2構造のFeAl合金単結晶薄膜を作製し、ナノポア配列の形成のための熱処理とその上にL10構造のFePtを成長させることも行なった。試料作製条件とFePtの磁気特牲の相関から、FeAlのナノポアの形態を通じてFePtの磁気特性の制御が可能であることが示唆された(2004年秋の金属学会において発表)。
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Research Products
(3 results)