2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己形成面内変調人工格子の作製と磁気機能性材料への応用
Project/Area Number |
16206067
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00187981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 誠司 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20250813)
嶋 敏之 東北学院大学, 工学部, 助教授 (50261508)
吉見 亨祐 東北大学, 大学院環境科学研究科, 助教授 (80230803)
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Keywords | ナノ材料 / 超格子 / 磁気記録 / 量子ドット / スピンエレクトロニクス / 自己形成 / 自己組織化 / 薄膜成長 |
Research Abstract |
本研究では、膜面内にナノスケールの変調構造を有する磁性人工格子・ナノ構造を作製し、磁化、磁気異方性、磁気抵抗効果、磁気光学効果など、さまざまな磁気特性の評価を行い、面内変調構造に伴う優れた磁気機能性を見出し、磁性人工格子・ナノ構造の研究に新たなブレイクスルーをもたらすことが目的である。本年度は、主に磁性金属や酸化物の表面における面内変調構造の作製を試みた。 酸素反応スパッタによるNiO膜の作製と表面構造制御の実験では、成長条件の探索により、多種多様な表面構造を得た。得られた表面構造の中で特に注目すべき結果は、矩形の穴が並んだ構造と網目状の構造であった。通常、物理的結晶成長法であるスパッタ膜において表面に無数の穴が形成されることは珍しく、本研究の結果は、成長中の空孔凝集などの新しいメカニズムによるナノ構造形成過程を示している可能性が示唆される。網目状の構造に関しても、スパッタ膜では報告例はほとんどなく新規性のある結果である。100nmスケールでの秩序構造が形成されている点に興味が持たれる。 Pt(100)表面上におけるFe-Au2次元合金の表面相分離に関する実験も行った。表面相分離の数値シミュレーションで見られるような完全な面内周期構造は得られなかったが、ストライプ構造などの面内で非一様な数原子層厚のナノ構造がSTMによって観測された。成長後熱処理の効果は顕著でないことも分かり、表面相分離構造の制御には成長中の基板加熱が有効であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)