2004 Fiscal Year Annual Research Report
オステオポンチン機能制御による難治性疾患コントロールの分子基盤
Project/Area Number |
16209014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 忠昭 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (60272431)
今 重之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 寄附研究部門教員 (90344499)
小野 悦郎 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (00160903)
横崎 恭之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80210607)
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Keywords | オステオポンチン / 中和抗体 / RNAアプタマー |
Research Abstract |
我々は、オステオポンチン(OPN)の発現増強が、難治性疾患である関節リウマチ、動脈硬化症、肝炎の発症や憎悪に関与していることを明らかにしてきた。OPNは蛋白分解酵素でプロセシングされることにより、野性型とは異なる機能を発揮する分子である。すなわち、OPNはトロンビンで切断されると、分子内のSLAYGLR配列が初めて露出され、α4やα9インテグリン分子との結合を介して上記疾患に関与している。したがって本年度はOPNの機能を特異的に阻害する中和活性を有する単クローン抗体とRNAアプタマーの作成を行った。 我々は、GRGDSLAYGLRペプチドでマウスを免疫し、マウスOPN分子のα4及びα9インテグリン認識配列を特異的に認識する単クローン抗体を世界で初めて樹立した。この抗体を繰り返し投与すると、ポリクローナル抗体投与で認められた血中濃度の低下はなく、一定の血中濃度を維持することができた。この抗体をマウスのコンカナバリンA(Con A)誘発肝炎モデルに投与したところ、肝炎の発症を著明に抑制することができた。 更に、GRGDSLAYGLRペプチドと結合する活性を有するRNAアプタマーの1次スクリーニングを行った。40〜50塩基程度のランダムなRNA鎖を含むライブラリィーから試験管内人工進化法により、目的のペプチドと結合し、対照群の合成ペプチドとは結合しないものを選択した。今後はペプチドではなく、OPN蛋白との結合性を基に2次スクリーニングを行う予定である。
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Research Products
(9 results)