2006 Fiscal Year Annual Research Report
オステオポンチン機能制御による難治性疾患コントロールの分子基盤
Project/Area Number |
16209014
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 忠昭 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (60272431)
今 重之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (90344499)
小野 悦郎 鳥取大学, 農学部・附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター, 教授 (00160903)
横崎 恭之 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (80210607)
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Keywords | オステオポンチン / 中和抗体 / 関節リウマチ / インテグリン / 脱接着 |
Research Abstract |
我々は、オステオポンチン(OPN)の発現増強が、関節リウマチ、クローン病、肝炎、動脈硬化症、網膜ぶどう膜炎の増悪に関与していることを明らかにしてきた。 OPNがトロンビンで切断されることにより露出されるcryptic epitopeであるS162VVYGLR168配列とα4やα9インテグリンとの結合が上記疾患に重要であることを示してきた。本年度は、 1)OPNはトロンビンのみならず、炎症部位で活性化するMMP-3やMMP-7にてSVVYG/LRにて、特異的に切断される。この切断がα4及びα9インテグリンとの相互作用にいかなる影響を及ぼすかを検討した。MMP切断型OPNは、α4インテグリンを介する細胞接着及び細胞遊走に関しては、切断型に比べて低下したが、充分機能は保持していた。一方α9インテグリンを介する細胞接着及び細胞遊走能は消失した。 2)SVVYGLR配列とα4及びα9インテグリンの結合に、どのアミノ酸が重要かを明らかにする為に、SVVYGLRの各アミノ酸をアラニンに置換し、しかもRGDをRAAに変異させたトロンビン切断型OPNを作成した。このリコンビナント蛋白を用いて、α4及びα9発現CHO細胞を用いて、細胞接着及び細胞遊走惹起能を検討した。その結果V164,Y165,L167はα4及びα9インテグリンを介する細胞接着及び遊走に必須であった。R168はα9インテグリンを介する細胞接着に、一方V163はα4インテグリンを介する細胞遊走に必須であった。すなわちこれらのアミノ酸をアラニンに置換すると当該機能の著名な低下を認めた。 3)最も重要な発見は、R168はα4及びα9インテグリンを介する細胞遊走に抑制的に作用することである。このアミノ酸をアラニンに置換することで、細胞遊走を著名に促進する。R168はインテグリンと結合するとRhoシグナルにネガティブシグナルを伝達する可能性がある。
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Research Products
(10 results)