2005 Fiscal Year Annual Research Report
オセアニア島嶼国におけるグローカリゼーションと国民文化に関する人類学的研究
Project/Area Number |
16251008
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
須藤 健一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10110082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 勲男 国立民俗学博物館, 民族社会研究部門, 助教授 (80270495)
関根 久雄 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (60283462)
橋本 和也 京都文教大学, 人間学部, 教授 (90237933)
柄木田 康之 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (80204650)
風間 計博 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (70323219)
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Keywords | 首都移住 / 民主化運動とストライキ / グローバル化と伝統 / 有機農業の技術移転 / 伝統文化の商品化 / ナショナリズム / 多民族国家と国家統合 / 環境保全と観光開発 |
Research Abstract |
平成17年度の調査研究は、ミクロネシア地域で1名、ポリネシア地域で3名、メラネシア地域で5名がそれぞれ調査を行い、地球規模の動きと各地域住民の対応について情報を収集し、下記のような新しい知見を得た。また、須藤は、イスターンブールで開催されたグローカリゼーションをテーマとする国際会議に参加した。 1.ミクロネシア地域 柄木田は、ミクロネシア連邦のヤップ州とポーンペイ州における首都・州都への国民の移住経験、生活環境、コミュニティ形成について調査を行い、その移住戦略を明らかにした。 2.ポリネシア地域 須藤は、トンガの民主化運動が公務員の賃金改定要求のストライキに発展している状況を調査し、王族・貴族・平民という階層構造の変革の可能性について、吉岡は、ツバルの首都への移住とそのコミュニティにおけるグローバル化の動きと住民の伝統保持の意識について、また調査協力者の荒木は、ツバルの離島社会における伝統社会の変容について明らかにした。 3.メラネシア地域 関根は、ソロモン諸島マライタ州で有機農業プロジェクトを展開しているNGOの活動と住民の経済的自立への関わりについて、橋本は、フィジーの国民統合の可能性について民主主義とナショナリズムを主張するフィジー系とインド系住民の立場とそれに対する国家政策を、風間は、フィジーのスヴァにおいてキリバス共和国からの強制移住者の社会適応と文化的アイデンティティについて、林は、パプアニューギニアで観光産業と伝統文化の商品化、環境保全等に果たす博物館活動について明らかにした。また、白川の代替としてヴァヌアツで調査した福井は、カストム(慣習)と近代化の社会・文化的な問題点とその解決の方策を提示した。
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Research Products
(11 results)