2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯の土壌生物が植物・植食者・捕食者群集の多様性創出とその維持に及ぼす影響
Project/Area Number |
16255002
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
安田 弘法 Yamagata University, 農学部, 教授 (70202364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 教授 (70179919)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 准教授 (40230015)
西澤 隆 山形大学, 農学部, 教授 (10208176)
村山 哲也 山形大学, 農学部, 教授 (20230013)
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 准教授 (60272085)
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Keywords | 生態学 / 生物多様性 / 植物 / 菌根菌 / 昆虫 |
Research Abstract |
本年度は、次の4点を中心に野外調査と室内実験を実施し、以下の結果を得た。 1原野で植物の菌根形成率の違いが植物及び節足動物群の多様性創出に及ぼす影響:カリマンタン、ジャワ、鶴岡の3調査地に設置した菌根菌の接種または非接種の処理区各5プロット(5m×5m)において、植物及び昆虫の調査を鶴岡(平成19年10月)と他2地域(平成20年1月)でそれぞれ実施した。カリマンタンで植物と昆虫バイオマスが菌根菌接種区で増加したが、他2調査地でこのような傾向は見られなかったため、各調査地での菌根菌形成率と関連させて現在解析中である。 2 圃場で植物の菌根形成率の違いがその生育及び植食者と捕食者群集の多様性創出に及ぼす影響:鶴岡の圃場に設置した殺菌剤の散布または非散布の処理区各5プロット(5m×5m)において、菌根菌形成率、植物および昆虫の発生量を、平成19年7月〜10月に計3回調査した。殺菌剤散布区で植物と昆虫の発生量が約3倍増加し、全体の種構成も変化した。 3 菌根形成率の違いおよび食害の有無がダイズの生育及び植食者昆虫の発生に及ぼす影響:菌根菌形成および鱗翅目による食害の有無を操作してポット栽培したダイズを野外に設置し、植物の体内成分の変化と植食者昆虫の発生量を調査した。菌根菌形成有り区で食害に関係なくアザミウマ発生量は増加したが、アブラムシ発生量は食害有り区で減少した。また、菌根菌形成により植物体内成分が変化した。 4 食害が植物の菌根菌形成率に及ぼす影響:鱗翅目による食害がダイズの菌根形成率と他植食者へ発育に及ぼす影響を、植物の体内成分の変化などから解明する室内実験を行った。その結果、食害は菌根菌形成率や植物の体内成分(ポリフェノールなど)濃度に影響し、他植食者(アブラムシ)のパフォーマンスにも影響した。
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Research Products
(10 results)