2004 Fiscal Year Annual Research Report
世代間のコミュニケーションや他者理解を促進するための生涯スポーツ実践に関する研究
Project/Area Number |
16300196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
関根 正美 岡山大学, 教育学部, 助教授 (50294393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 孝幸 長崎大学, 教育学部, 助教授 (00156332)
深澤 浩洋 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50313432)
石垣 健二 県立新潟女子短期大学, 講師 (20331530)
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Keywords | コミュニケーション / 他者理解 / スポーツ / 競争 / 協力 |
Research Abstract |
本研究の大きな目的ぼ教育の荒廃や地域社会の荒廃に臨床心理学をはじめとする心理学分野の貢献が期待される中で、体育学の立場から生涯スポーツの実践のあり方を追求することで現代の抱える問題に貢献しようとするところにある。本年度の研究計画では、教育並びに地域社会の危機は、世代間のコミュニケーションや意識レベルでの他者理解のみではその克服が困難であるとの認識に立ち、コミュニケーションならびに他者理解に関する原理的検討を主な研究課題にして進めてきた。われわれはこの研究課題に対して文献解釈による研究と平行して、スポーツや実際の体育授業をも考察の対象とすることによって原理的理解の深化を図ってきた。その結果、次のことが明らかになった。1.コミュニケーション理論の原理的理解においてはJ.Habermasが試みた言語コミュニケーションの理論が一応の参考にはなるが、われわれの目指す身体運動や身体経験を通したコミュニケーションの成立という観点からすると限界がある。2.スポーツを通したコミュニケーションの成立ならびに他者理解に関しては、「競争」および「協力」という概念が重要である点が明らかになった。とりわけ、ハンディキャップを導入したゲームを実践する中で、そこで行われる競争に教育的な意味を持たせることが可能になる。3.このゲーム方式は、同世代間におけるコミュニケーションの成立のみならず、世代間のコミュニケーションを誘発することも示唆された。次年度以降の課題としては、スポーツによる世代間コミュニケーション創出の原理的理解の深化と他者理解の原理的考察が挙げられる。
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