Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 範久 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (10261786)
向井 直樹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (70292539)
白木 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90206285)
小池 関也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50272670)
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Research Abstract |
本研究では,アスリートの立位姿勢,歩行動作における全身および身体部分の静的および動的様態をバイオメカニクス的にとらえ、障害の有無とバイオメカニクス的パラメータの関係を検討し,下肢におけるスポーツ障害発生の予測法や予防法を確立するための基礎的資料を得ることを目的とした. 平成16年度には,アスリートの立位姿勢および歩行動作の計測を行い,バイオメカニクスデータの収集を行ない,左右のアシンメトリーに着目して分析した.被験者は,大学段階の競技選手119名(男子74名,女子45名)である.被験者に実験内容等を説明し,infbrmed consentを得たのち,以下の手順で立位姿勢および歩行動作を計測した.(1)被験者に自然な立位姿勢をとらせ,重心動揺を計測するとともに,前方および側方からVTRにより撮影した.(2)歩行動作の計測中央にフォースプレート(Kistler社,9287B型)を埋設した歩行路において自由歩行および速歩を裸足で行わせ,地面反力を計測するとともに三次元自動動作分析システム(Vicon)により身体計測点の三次元座標を収集した. 得られたデータから,左右のアシンメトリーを評価するための指数(左右差を左右の平均値で除した値(%)で,大きいほどアシンメトリー性が高い)を,ステップ長,ステップ頻度,歩行比,片脚支持時間,両脚支持時間などについて求めた.その結果,両脚支持時間は障害経験を有するアスリートでは有意に大きかったが,他の項目については有意差はなかった.また,予想に反して股関節トルクおよびトルクパワーの左右差は障害経験のないアスリートの方が大きい傾向が見られた,これは,障害経験を有するアスリートでは,歩行パターンをコントロール可能な範囲を越えないように無意識に変形していることを示すものと考えられる.これらの点については,次年度においてさらにデータを収集しより詳細に検討する.
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