2005 Fiscal Year Annual Research Report
大学における初習理科の授業モデルと評価モデルの開発
Project/Area Number |
16300245
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 正明 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (60001343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (00157025)
宇田川 拓雄 北海道教育大学, 教育学部函館校, 教授 (30142764)
西森 敏之 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (50004487)
小野寺 彰 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40142682)
栃内 新 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20111148)
|
Keywords | 理科教育 / 自然科学 / eラーニング / ティーチングアシスタント / リメディアル教育 / 初習理科 / 基礎物理学 / 体系的教育 |
Research Abstract |
大学における新しい初習理科の授業モデルを確立するために,昨年度に引き続いて水産学部の1年次を対象としたパイロット授業に取り組んだ。このプロジェクトには,スタッフとして教員4名,実験補助のための技官1名および撮影技術者1名の合計6人,それにティーチングアシスタント4名が参加した。 本年度は以下のような改良が行われた。 1、クラスサイズを昨年度の半分の120名とし,毎回の持ち時間90分を分割して,最初の60分間を講義に,残りの30分間を演習にあてた。 2、講義では毎回演示実験をおこない,大教室のスクリーンに投影して受講生がその詳細を同時に観察できるようにした。 3、eラーニングシステムHuWebを採用した。来年度のオンライン授業を想定して,全講義の録画を行った。 4、授業にクイズ形式を導入し,4択などの問題の回答を受講生がその場でカードで表示するようにした。 日本の学生は、演示実験にあまり興味を示さない,講義ノートをウエッブ上に公開すると講義に集中しなくなる,など同じような授業環境のもとでアメリカの学生とは異なる反応を示した。その背景には,授業に対する考え方の違いや、初等・中等教育で形成された態度・習慣の違いがあるので,新しい授業法の採用にはさまざまな配慮が必要であることがわかった。 授業中のクイズと,講義の後に引き続いて行われる演習はきわめて効果的であった。例題の演習を中心とするスタイルの授業は学生の集中力の維持に効果があった。これらを含めて授業における双方向性の確保が重要な課題であり、ウエッブ利用の学習の正否もこの点にかかっている。 技術的な課題は,クイズのデジタル化である。クイズへの回答を瞬時に処理し表示する「クリッカー技術」の導入であろう。この手法は,アメリカで開発され急速に普及しつつあるが,成績評価にも連動する汎用性の高い技術であり,次年度に早急に整備する必要があろう。
|
Research Products
(7 results)