2005 Fiscal Year Annual Research Report
珪藻殻の形状支配因子タンパク質を用いた半導体ナノパターニング
Project/Area Number |
16310092
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
金子 忠昭 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50291977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 祐介 関西学院大学, 理工学部, 助教授 (30291975)
佐野 直克 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00029555)
田中 祐二 関西学院大学, 理工学研究科, 博士研究員 (20351744)
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Keywords | 珪藻殻 / バイオミネラリゼーション / バイオシリカ / 組換シラフィン / 半導体プロセス / 自己組織化 / ナノパターニング / プロテインチップ |
Research Abstract |
珪藻殻はシリカが沈積した非結晶性の殻を持ち、その内部にはナノメートルオーダーの精緻なフラクタル多孔体構造を持つ生物である。2種類の海洋珪藻の殻からこれまでに数種類のタンパク質が抽出されており、Silaffinと名づけられている。このタンパク質の特徴は、試験管内においても溶存酸化ケイ素を沈積するバイオミネラリゼーション活性を有することにある。珪藻Cylindrotheca fuciformisのSilaffin遺伝子は、珪酸沈積機能を持つ18アミノ酸配列が7回リピートした構造をコードしているが、今回われわれはこの遺伝子の全長をクローニングした後、これを基にして、1回リピート構造および7回リピート構造をコードする2種類の遺伝子断片を構築した。このそれぞれに対して、ヒスチジン6量体をコードするタグ(His-tag)をそれぞれSilaffinのカルボキル末端に付加するようにSilaffin遺伝子に付加し、これをpET21aベクターに継いだ後大腸菌BL21株に形質転換して大量発現系を構築した。IPTG誘導によりそれぞれのリピート型Silaffinを大腸菌内で発現させた後His-Tagを使って精製した。精製Silaffinをβ-ガラクトシダーゼ存在下で80mMリン酸及び100mM珪酸と混合したところ、酸化ケイ素固形物の沈積が観察された。また、この反応溶液をβ-ガラクトシダーゼの至適温度を20℃上回る70℃にて高温処理したところ、Silaffin反応を行なっていないものではほぼ完全に失活したのに対して、行なったものでは約80%の活性が残存していた。このことから、バイオシリカによる酵素固定化と安定化がおこっているものと考えられた。 一方、半導体基板上でのバイオシリカ反応環境の制御に対しては、GaAs基板上のデザインされた三次元結晶構造表面のナノ領域内に、Silaffinタンパク質の選択的固定化を可能にする"半導体基板プロテインチップ"の開発を行った。その結果、バイオシリカの選択成長を確認した。
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Research Products
(5 results)