2006 Fiscal Year Annual Research Report
珪藻殻の形状支配因子タンパク質を用いた半導体ナノパターニング
Project/Area Number |
16310092
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
金子 忠昭 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50291977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 祐介 関西学院大学, 理工学部, 助教授 (30291975)
佐野 直克 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00029555)
田中 祐二 関西学院大学, 理工学研究科, 博士研究員 (20351744)
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Keywords | 珪藻殻 / バイオミネラリゼーション / バイオシリカ / 半導体ナノパターニング / 組換シラフィン / GaAs |
Research Abstract |
珪藻のCylindrotheca fusiformisの被殻から単離されたSilaffinは珪酸存在下でシリカ沈積能を有する機能ペプチドである。この機能ペプチドは遺伝子上では7回のタンデムリピートとしてコードされているが、7回タンデムリピート型Silaffinの機能については不明であった。本研究では分子生物学的手法を用いて、7回タンデムリピート型Silaffinと単リピート型Silaffinの2種類の組み換えSilaffinの発現系を構築し、これらのシリカ沈積能について詳細な比較解析を行った。その結果、7回タンデムリピート型と単リピート型のどちらも、シリカ沈積能を有していることが明らかになった。また、反応系における組み換えSilaffinの濃度と形成されるシリカ粒の乾燥重量との関係を調べたところ、どちらの場合もSilaffinの濃度1000nMまでの問では直線性が見られた。さらに、反応系での機能ペプチドのユニット数(同濃度では7回タンデムリピート型Silaffinの機能ペプチドのユニット数は単リピート型Silaffinの7倍に相当)と形成されるシリカ粒の乾燥重量の関係について比較すると両者はほぼ一致した。このことから、組み換えSilaffinによって形成されるシリカ粒の量は、7回タンデムリピート型と単リピート型との問で大きな差はなく、反応系における機能ペプチドのユニット数に依存することが示された。次に形成されるシリカ粒の形状について比較したところ、1μMの7回タンデムリピート型組み換えSilaffinによって形成されるシリカ粒の平均サイズはΦ350nmであったのに対し、7μMの単リピート型組み換えSilaffinによって形成されるシリカ粒の平均サイズはΦ400nmであった。このことから、組み換えSilaffinに含まれる機能ペプチドのユニット数を改変することで、形成されるシリカ粒のサイズを制御できる可能性が示唆された。さらに、化合物半導体GaAsの極生面(Ga面、As面)に対してSilaffin固定化能が異なることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)