2004 Fiscal Year Annual Research Report
交流と伝統の視点から見た仏教美術の研究-インドから日本まで-
Project/Area Number |
16320020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮治 昭 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70022374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定金 計次 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (40135497)
中野 照男 東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
肥田 路美 早稲田大学, 文学部, 教授 (00318718)
井出 誠之輔 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30168330)
鷹巣 純 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00252205)
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Keywords | 本生図 / 仏伝図 / 浄土教美術 / 観経変 / 六道絵 / 生死輪 / アジャンター / 敦煌 |
Research Abstract |
本研究は四ヶ年計画で本年は初年度に当たるため、まず第1回目の研究会で、本研究に関する代表者・分担者の関心のあり方、研究の進め方について話し合った。本研究の主要な4つのテーマである、(1)本生図(サッタ太子本生、スダーナ太子本生、燃燈仏授記本生など)、(2)仏伝図(降魔成道図、涅槃図、四相図、八相図など)、(3)浄土教美術(阿弥陀浄土図、観想図、観経変、来迎図など)、(4)六道の美術(地獄図、六道絵、十王図など)について、それぞれ分担を決め、調査、資料の収集、研究の進め方を確認した。 第2回目および第3回目の研究会で、研究分担者が「敦煌仏伝図・涅槃図研究の問題と課題」「高麗における観経変相図の展開」「アジャンター第17窟の五趣生死論について」「極楽寺本六道絵について」の研究発表を行い、また研究協力者に「敦煌絵画における十六観図」のテーマで発表をしてもらい、活発な討議を行った。とくに敦煌と高麗の仏伝および観経変について研究を深めることができた。 従来、仏教美術の研究は日本を中心に中国や韓国が比較されることはあっても、インドから日本までの広範囲を視野に入れた研究はほとんどなさていない。それだけに本研究によって、地域的・時代的にどのような変化を示すのかという問題意識のもとに、具体的なテーマの設定によって、かなりの見通しが立てられるようになった。具体的には、仏伝場面の取り上げ方と図像の細部表現、インドに見られない浄土図や観経変の成立、六道絵の地域的・時代的な様相についてである。
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Research Products
(8 results)