2005 Fiscal Year Annual Research Report
交流と伝統の視点から見た仏教美術の研究-インドから日本まで-
Project/Area Number |
16320020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮治 昭 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70022374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定金 計次 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (40135497)
中野 照男 東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
肥田 路美 早稲田大学, 文学部, 教授 (00318718)
井出 誠之輔 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30168330)
鷹巣 純 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00252205)
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Keywords | 本生図 / 仏伝図 / 涅槃図 / 半跏思惟像 / 四川省摩崖石刻 / 触地印仏陀像 / 仏伝涅槃図 / 摩耶夫人 |
Research Abstract |
本研究は本生図・仏伝図、および浄土教・六道絵の美術を軸にして、インド・中央アジア・中国・韓国・日本の仏教美術の交流とそれぞれの伝統との葛藤、融合によって新たな創造が生まれる様相とメカニズムを明らかにすることを主たる目標としている。 本年度は仏伝図を中心に調査、研究を行った。研究分担者定金計次氏はインドの仏教美術調査、肥田路美氏は中国四川省の摩崖石刻調査、井手誠之輔氏は韓国の国立中央博物館・湖厳美術館での仏教美術調査を行った。 研究会を3回開催し、精力的に研究と意見交換を行った。研究代表者・分担者の発表として「半跏思惟像の生成-悉達太子・観音菩薩・弥勒信仰」「降魔触地印像の中国での受容と展開」「ベゼクリク第33窟の衆人奏楽図について」「日本における仏伝涅槃図の図像と画面構成」「玄奘三蔵将来仏像について」、また研究協力者の発表として「古代インドの従三十三天降下図」(小泉惠英)、「仏伝における摩耶夫人」(H.デュルト)などがあり、それに基づいて討議を行った。 本年度はガンダーラ、中国新疆、中国四川、日本の中世などの仏伝図、涅槃図などを中心に、個別の研究が深められたと同時に、インド・中央アジア・中国の仏伝美術の伝播と受容の様相がケース・スタディとして追求され、成果を挙げた。また、中国、韓国、日本の特に中世の仏伝美術・涅槃図について影響関係と変容、独自の様相が考察され、研究が深められた。さらに仏教学専攻の研究協力者にも加わってもらい、経典(テクスト)と図像がどのように関わりながら、作品が生成し、変容するかについても考察を加えた。この点の研究は未だ十分とは言えないが、見通しをつけることができた。
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Research Products
(21 results)