2006 Fiscal Year Annual Research Report
交流と伝統の視点から見た仏教美術の研究-インドから日本まで-
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16320020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮治 昭 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70022374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定金 計次 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (40135497)
中野 照男 東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
肥田 路美 早稲田大学, 文学部, 教授 (00318718)
井出 誠之輔 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30168330)
鷹巣 純 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00252205)
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Keywords | 浄土図 / 六道絵 / 迎講 / 六道十王図 / 観経変 / 浄土観想図 / 不浄観想図 / 地獄絵 |
Research Abstract |
本研究は本生図・仏伝図、および浄土教・六道絵の美術を軸にして、インド・中央アジア・中国・韓国・日本の仏教美術の交流とそれぞれの伝統との葛藤、融合によって新たな創造が生まれる様相を明らかにすることを主な目標としている。 本年度は教土教・六道絵の研究を中心に研究を進めた。研究会において、研究分担者鷹巣純による「出光美術館本六道十王図について」、研究協力者山本陽子による「聖衆来迎寺蔵六道絵人道不浄相図に関する一考察」、同関信子による「"迎講阿弥陀仏"の歴史的変遷」の発表をもとに、討論し研究を深めた。また、研究代表者宮治昭、研究分担者渡辺里志、同鷹巣純は台湾故宮博物院および国立歴史博物館、震旦芸術博物館などにおいて仏教美術の調査、並びに資料収集を行った。研究分担者中野照男はパリ・ギメ美術館およびベルリン・インド美術館において中央アジアの仏教美術の調査と関連する資料収集を行った。 インドにおいては浄土教美術と言えるものは見られないが、ガンダーラ美術の仏三尊像や大神変図の浮彫彫刻にその萌芽が見られ、中国新疆トゥルファンのトヨク石窟に浄土観想図の興味深い壁画があり、『観無量寿経』と関係深いことが明らかとなった。浄土図や浄土観想図の成立に『観無量寿経』が深く関わった様相が辿れるようになった。さらには六道絵や地獄図に関しても、中国新疆および敦煌、四川省の作例を中心に検討を加え、その生成の様相を明らかにすべく考察を加えた。また、日本においては迎講が浄土教美術の発展にいかに関わり、その発展に大きく寄与したかを明らかにすることができた。
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Research Products
(15 results)