2007 Fiscal Year Annual Research Report
交流と伝統の視点から見た仏教美術の研究-インドから日本まで-
Project/Area Number |
16320020
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
宮治 昭 Ryukoku University, 文学部, 教授 (70022374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定金 計次 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (40135497)
中野 照男 東京文化財研究所, 企画情報部, 部長 (20124191)
肥田 路美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00318718)
井手 誠之輔 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30168330)
渡邉 里志 東海学園大学, 人文学部, 准教授 (30201180)
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Keywords | 本生図 / 仏伝図 / 浄土教美術 / 観経変 / 六道絵 |
Research Abstract |
本研究の主要なテーマである(1)仏伝図、(2)浄土教美術、(3)六道の美術のテーマごとに、インド・中央アジア・中国・韓国・日本の作例の写真資料を収集し、データ化する作業を研究代表者・研究分担者の専門、役割分担に基づいて、継続して行った。特に実地調査した作品については資料収集が進み、一次資料もデータ化した。 研究代表者、研究分担者および研究協力者の参加を得て、本年度は3回の研究会を開催し、活発な研究発表と意見交換を行った。本研究の特色である「伝統と交流」という複眼的な視点をもって、インドから日本までの仏教美術に関し、特に以下のテーマの研究を行って成果を挙げることができた。 (1)仏伝図に関しては、降魔成道図、涅槃図を中心に取り上げ、インド・中国・日本における伝播と変容、発展の様相を考察し、特にガンダーラの仏伝図の重要性と中国における独自の展開のあり様を明確化した。(2)浄土教美術に関しては、ガンダーラにおける浄土図の発生の様相、また中央アジア(特にトゥルファンのトヨク石窟)における観想の実践と絵画作品との関係、中国北斉〜初唐期(小南海石窟、響堂山石窟、敦燵莫高窟など)における浄土図と『観無量寿経』との関係を浮き彫りにした。(3)六道の美術に関しては、中国と日本の六道絵の比較検討、地蔵十王図と水陸画との関係、九相詩絵巻の図像の特質などを考察し、東アジアでの独自の展開の様相を明らかにした。本年度は4カ年の本研究機関の最終年度でもあり、総括的な研究、ならびに研究のまとめに重点をおいた。
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Research Products
(16 results)