2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16320121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
小池 淳一 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (60241452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 南 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (90156654)
常光 徹 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (40321541)
鈴木 一馨 財団法人東方研究会, 研究員 (50280657)
鐘江 宏之 学習院大学, 文学部, 助教授 (80272433)
三上 喜孝 山形大学, 人文学部, 助教授 (10331290)
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Keywords | 陰陽道 / 木簡 / 墨書土器 / 儀礼 / 呪具 / 守札 / 蘇民将来 / 密教 |
Research Abstract |
本研究は呪術及び呪法が日本列島とその周辺においてどのように展開し、変遷を遂げてきたかを考古学・歴史学・民俗学の方法と知見とを総合することで明らかにしようとするものである。古代における木簡や墨書土器、中近世における呪術書や呪法の記録、民俗文化における儀礼や行事に使用される守札や祭文等を通して、それら相互の系譜関係と実際の使用状況を把握し、呪術・呪法の史的な位相を解明しようとする。これらの史資料はそれぞれの学問分野において、注意され、データとしては蓄積されてきているが、統一した視点からの把握、分析は充分におこなわれているとは言い難い。本研究は呪術・呪法を積極的に核として位置づけ、総合的に把握することで文化史に新たな知見を付け加えようとするものでもある。本年度は2回の打ち合わせ会議、研究会を開催し、考古資料と民俗資料における呪術関係の記述の持つ意味と儀礼環境についての意見交換をおこなうとともに、呪術研究の課題と方法について討論した。またメンバー各自の専門領域において基礎的な作業、資料整理を開始し、関連するデータの蓄積に努めた。その一端を示すと小池を中心として国立歴史民俗博物館では、近世の呪術書の翻刻作業を行い、『呪詛調法記』『増補呪詛調法記大全』の2冊を活字化し、配布した。これは最終年度に向けて検討を加え、報告書に掲載する予定である。また平川を中心として出土文字資料の解析と使用環境の復元のための検討を進めている。鈴木は京都大将軍八神社の皆川家旧蔵資料の整理、撮影作業を開始し、その内容文責にも着手している。松尾を中心に呪術や儀礼に関する民俗調査を高知県、鹿児島県、青森県、長野県等で実施し、それぞれ呪法の映像や画像資料、呪具やそれにあたる民具等の収集を進めている。 成果として、いくつかの学術雑誌に、主として陰陽道に関連する研究論文を寄稿した。本年度は特に蘇民将来や陰陽道書の概念に関する新たな知見を学界に提供することができた。
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Research Products
(5 results)