2006 Fiscal Year Annual Research Report
企業と団体の社会的責任をめぐる法制度設計のための基礎的研究
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16330017
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
松本 恒雄 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (20127715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 進 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (20119366)
野田 博 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (70189405)
杉浦 保友 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (70361847)
滝沢 昌彦 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (80179580)
上原 敏夫 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30114937)
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Keywords | 企業 / 団体 / 法人 / 社会的責任 / ガバナンス / コンプライアンス / CSR / ソフトロー |
Research Abstract |
18年度は、3年計画の最終年度として、各研究班ごとに分担者の設定したテーマについて最終報告書執筆に向けた研究を行うともに、全体研究会を定期的に開催して、国際的な視野での知見を高めることに務めた。まず、全体研究会として「CSR経営とコーポレート・ガバナンス」、「中国におけるCSRを考える視点」、「アメリカの会社法における株主とステークホルダーに関連した議論について」、「三井物産のCSRの考え方」、「ISO26000をめぐる最新状況及び欧米アジアの産業界におけるCSRの動向」、さらに、EUIJとの共催でドイツ・オズナブルック大学セール教授による「欧州におけるCSR動向」についての講演会を開催し、主要地域におけるCSRの力点の置き方の差異やわが国の有力企業における姿勢、ガバナンスの考え方の進展が明らかになった。 各班別では、基礎班においては、オランダ東インド会社の活動をドイツにおけるCSRの議論の歴史的文脈に位置づけられること、わが国の不公正な取引方法の規制では自由競争を減殺するタイプの行為に対する規制になお課題があること、ISO26000の策定においてCSRの7つの課題について合意がなされたこと、企業班においては、取締役に株主以外のステークホルダーへの配慮を義務づける新会社法がイギリスで成立したこと、実務慣行や社会規範等の裁判所による強制的実行が保証されていない私的規範の生成や遵守のメカニズムがCSRにとって重要であること、ポリティカル・エコノミーからのCSR論が有意義であること、非営利団体班においては、一般社団・財団法は非営利法人のガバナンスに大きな影響を与えること、個人の内心の問題ととらえられてきた倫理を組織や基準の問題として再構成するアプローチが有効であること、消費者団体訴訟制度においては消費者団体の社会的役割が問われていること等が明らかになった。
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Research Products
(15 results)