2005 Fiscal Year Annual Research Report
ケイパビリティ・アプローチの定式化に基づくグローバルな福祉保障システムの構想
Project/Area Number |
16330055
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤 玲子 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (70272771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立岩 真也 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (30222110)
松井 暁 立命館大学, 経済学部, 教授 (90238931)
重森 臣広 立命館大学, 政策科学部, 教授 (50235529)
吉原 直毅 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (60272770)
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Keywords | ケイパビリティ・アプローチ / 新しい経済学 / 複層的公的扶助システム / 基本所得 / ミニマム保障 / 公的扶助の意味 / コミュニティ事業と社会福祉 / グローバルな福祉保障 |
Research Abstract |
本年度の活動のメインは、10月28日から30日まで、3日間にわたる国際コンファレンス「倫理・経済・法:不正義に抗して」の開催である. その目的は,哲学・人類学・ジェンダー論・社会福祉論など多彩な観点から,不正義に抗する学問のあり方を吟味することにあった.より具体的には,ケイパビリティ・アプローチの提唱者であるアマルティア・センの経済哲学の革新性を多面的に引き出し,批判的に検討することがめざされた. 論客は,マーサ・ヌスバウム,ジョン・ブルーム,フィリップ・ペティット,プレサンタ・パタナイク,マルセル・ヘナフ,デヴィット・エストルンド,後藤玲子,HDCA(Human Development & Capability Approach)の若手リーダーたち,ならびに,日本全国から討論者としてかけつけてくれた経済学者・法哲学者の諸氏である。 センの基調講演をはじめとする各報告(後藤玲子の報告も含む)は不正義に抗するという観点から経済学の有効性を吟味し、その枠組みを大きく広げるうえで、大きな貢献をなした。 成果の一部は、別表のとおり、報告書・学術雑誌などを通じて、公表されたが、現在、Cambridge University Pressならびに晃洋書房からそれぞれ英語と日本語で、成果を公表する準備を進めている。 このほかに、(1)国立社会保障・人口問題研究所と協力して,国内の生活保護・低所得層の社会生活に関する調査を進めた.経済産業省、財務政策総合研究所、連合総研などからの依頼に応えて、最低生活保障に関する制度構想の論文を執筆し、報告を行った。(2)院生とともに、スリランカのプランテーションに暮らす女性たちのケイパビリティ調査を行った。
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Research Products
(7 results)