2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域情報の制作・流通の事業動向とその受容に関する実証研究
Project/Area Number |
16330104
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
林 茂樹 中央大学, 文学部, 教授 (20054348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 美佐 中央大学, 文学部, 助教授 (30292783)
島崎 哲彦 東洋大学, 社会学部, 教授 (00287559)
岩佐 淳一 茨城大学, 教育学部, 助教授 (10232646)
内田 康人 育英短期大学, 保育学科, 専任講師 (60389773)
浅岡 隆裕 立正大学, 文学部, 専任講師 (10350290)
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Keywords | 地域情報 / ケーブルテレビ / 地域メディア / 広域連携 / 地域情報化 / 住民のメディア活動 / ネットワーク化 / 地域アイデンティティ |
Research Abstract |
科学補助金交付を受ける最終年度に当り,これまで2年間の調査研究成果を集約することに注力した.すなわち引き続きフィールドリサーチを実施し,調査対象地を広げていくというよりも,既対象地域の深堀とフォローアップを進め,さらに理論的に練り上げていく作業に時間を割いた. 研究プロジェクトとしての重点領域・テーマおよびそれに関連した調査対象地は以下の通りであった. 1.自治体合併に伴うケーブルテレビの機能変化 秋田県由利本荘市,秋田市,大館市 2.地域住民による番組制作の実態 神奈川県・鎌倉市,愛知県・刈谷市,愛知県・名古屋市 3.ケーブルテレビ局間の連携とネットワーク化 香川県,愛媛県,富山県,三重県,沖縄県それぞれの行政と各ケーブルテレビ局 いずれの地域でも主にケーブルテレビ事業運営者,情報制作者に対するヒアリング調査を行い,事業の実態を把握するとともに,当該地域社会の構造的特質および情報環境と,そのローカルコンテンツの成立ちや受け手の受容の方向性との関連を探った. 民間事業者という純粋な営利企業の対場から考えると,"採算べ一スに乗る"ということが,その地域情報提供ないしは流通のためのインフラ整備事業の展開を大きく規定している.投資コストに見合うだけの回収が期待できない人口低密度(過疎)地域での事業展開は民間では行えず,行政セクターが住民へのユニバーサルサービスの一環として国・県から補助金を受けて展開する例が多い.このような事例では「地域情報化」という施策の元に,情報インフラ整備に重点が置かれるあまり,インフラを作って地域住民のためのどのような情報を制作・発信していくのかという過程まではあまり考慮されていない.その点で注目される事例としては,地域住民の自発的な制作活動を利用しての地域情報発信である.制作のプロではない,あくまでも地域住民目線での地域情報が発信されており,今後の動向を注視していきたい.
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Research Products
(8 results)