2005 Fiscal Year Annual Research Report
ライフヒストリー的アプローチを活かした総合的な教師の力量研究
Project/Area Number |
16330176
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森脇 健夫 三重大学, 教育学部, 教授 (20174469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 準二 静岡大学, 教育学部, 教授 (50144051)
木原 誠一郎 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20214851)
村井 淳志 金沢大学, 教育学部, 教授 (90219866)
藤原 顕 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60261369)
鋒山 泰弘 追手門学院大学, 人間学部, 教授 (30209217)
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Keywords | 教師の力量形成 / 授業スタイル / ライフヒストリー的アプローチ / 物語テクスト / 個別事例研究 |
Research Abstract |
私たちの問題意識は、2004年度日本教育方法学会の課題研究(本報告書所収資料参照)において明らかにしたように、もっぱら教育方法学として追求されてきた授業研究と教師教育、あるいは教師研究として追求されてきた教師研究のクロスした箇所に成立する。両者をつなぐキーワードである「授業スタイル」を扇の要に位置づけ、その由来と出自を問うものである。 本研究において課題としたことは、弟一に事例研究の物語的テクストのさらなる作成である。対象者として選ばれたのは、それぞれの研究者が「出会った」教師である。「出会い」は偶然性の賜物であるが、その偶然性を乗り越えたところに存在する「典型性」を描き出せたかが問われる。第二は、事例研究の対象を増やすことによって教師の力量のイメージを描き出し、一般性の求められる教員養成プログラムの策定に結びつけることであった。 今回の科研報告書におさめられた研究は教師の個別事例研究だけにとどまらず、さまざまな方向への展開を見た。 個別事例研究で取り上げた教師はこれまでの私たちの研究からすれば、「名の知られていない」教師たちである。しかし、その事例研究は物語テクストとして典型性を持つものにまで昇華している。 二つ目に、ライフヒストリー研究が個別事例研究から集団、「場」の研究へと展開している。それぞれの研究は、個別事例研究の持つ物語テクスト性を捨象せずに、一般化していく道筋を切りひらこうとしている。 三つ目に教師の力量について、また諸外国における教員養成についてのモノグラフ的な研究も行われた。 教員養成のプログラムを具体的に構想するにはまだ多少道のりが必要だが、プログラム作成上において有用な多くの視点や素材を提供できたのではないかと考える。
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Research Products
(6 results)