2006 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害児の学校不適応軽減を目的とした5歳児健診の有用性に関する実践的研究
Project/Area Number |
16330188
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小枝 達也 鳥取大学, 地域学部, 教授 (70225390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 志奈子 鳥取大学, 地域学部, 助教授 (30249297)
小林 勝年 鳥取大学, 生涯教育総合センター, 助教授 (30326623)
塩野谷 斉 鳥取大学, 地域学部, 助教授 (30310866)
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Keywords | 5歳児健診 / 軽度発達障害 / 特別支援教育 / 発達障害者支援法 / 学校不適応 |
Research Abstract |
5歳児健診あるいは5歳児発達相談のあと、就学までをどのようにつなぐのかについて検討した結果、5歳児健診に続く(1)子育て相談、□心理発達相談、□教育相談という3つの事後相談体制が必要であると考えられた。そこで本研究ではその相談体制を整え、各市町村の母子保健行政へ活用を呼びかけている。今年度は、活用に関するアンケート調査を行った。 対象は23市町村の母子保健担当保健師とし、郵送法にてアンケート調査を実施した。アンケート内容は、大きく分けて(1)5歳児健診後の対応について、(2)5歳児健診事後相談体制の活用状況について、の2つである。回収数は21(回収率91.3%)であった。 利用状況では、9市町村が利用あり、12市町村が利用無しであった。利用しなかった理由では、「他のフォロー体制があった」が8と一番多い回答であった。「利用方法がわかりにくい」、「事後相談内容がわからない」、「知らなかった」など事後相談体制の周知不足と思われる回答もあった。利用して良かったのは、子育て相談では「保護者の話をゆっくり聞いてもらえて良かった」、心理発達相談では「発達段階が明確になり、その後の保育や育児につながった」、教育相談では「就学に向けて、保護者の具体的な動きがわかって良かった」との回答が多く見られた。活用症例数は平成16年度が31症例、17年度が21症例、18年度が22症例であった。年次とともに同じ症例が子育て相談から心理発達相談、あるいはその逆への紹介など多彩な動きがみられるようになった。教育相談の件数は他に比べて少なく、年次とともに減少している。アンケート調査でも既存の教育相談を活用しているとの回答があり、特別支援教育の浸透とともに速い速度でニーズが変化していることがうかがわれた。
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Research Products
(2 results)