2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浦川 肇 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50022679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗政 昭弘 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50219862)
金子 誠 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (10007172)
尾畑 伸明 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (10169360)
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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Keywords | ディリクレ境界値固有値問題 / ノイマン境界値固有値問題 / 数値計算プログラム / 調和写像 / 2-調和写像 / ヤング・ミルズ場 / 2-ヤング・ミルズ場 / 孤立現象 |
Research Abstract |
平面領域上のラプラス作用素に対するディリクレ境界値固有値問題、およびノイマン境界値固有値問題の固有値と固有関数を導出するために開発した新方式のソフト及び空間内の任意の物体の表面上における固有振動の固有値と固有関数を導出するためのソフトをもちいて、次のような計算を行なった。球面や楕円面などの固有値と固有関数の計算、及びその可視化。等スペクトル領域のスペクトルの計算。領域の変形による固有値の変動の可視化。与えられた境界条件をもった調和関数の可視化。熱や波の伝搬の可視化。与えられた3次元領域上のディリクレ固有値問題の固有値とその領域の表面上の固有値との比率に関するS.T.Yauの予想した問題に対する数値実験で、我々の実験から得られた結論は、与えられた3次元領域の中で、球体が最もその比率が効率的となる、というものである。以上のすべてのソフトについて、まとめて1件として、プログラム特許を申請した。 写像の変形に関する変分法で代表的なものに、「調和写像」という概念がある。近年、これを自然に拡張した「2-調和写像」の概念が研究されるようになった。我々はこの「2-調和写像」について研究を行い、次のような結果を得た。すなわち、 (1)球面内の任意の主曲率一定超曲面のうち、2-調和写像となるものは、ある小円かクリフォード・トーラスのいずれかである。 (2)複素射影空間内の任意の等質実超曲面のうち、2-調和写像となるものは、A-型、D-型、E-型超曲面に限る。 (3)四元数射影空間内の等質実超曲面についても、類似の結果を得た。 ユークリッド空間内の2-調和な部分多様体について、いわゆるB.Y.Chen予想と呼ばれる予想「このようなものは調和写像に限るであろう」について、「エネルギー密度関数が定数であるか、無限遠方で零になり、テンション場についても、無限遠方で零になるならば、予想は正しい」という結果を得た。 2-調和写像の概念のゲージ場に対するアナロジーとして、ヤング・ミルズ場の概念を拡張した「2-ヤング・ミルズ場」の概念をえる。我々は、非自明な2-ヤング・ミルズ場の例を構成した。また、「リッチ曲率が正のときに、2-ヤング・ミルズ場の孤立現象がある」という興味ある定理を得た。
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