2004 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーコンプトン散乱による短パルス軟X線顕微鏡の実現
Project/Area Number |
16340079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鷲尾 方一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70158608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 立成 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70087162)
黒田 隆之助 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70350428)
濱 義昌 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40063680)
柏木 茂 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60329133)
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Keywords | 高品質電子ビーム / 逆コンプトン散乱 / 軟X線発生 / 顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、早稲田大学・理工学総合研究センターが保有する、5MeVのピコ秒電子ビームと短パルスレーザービームの衝突による逆コンプトン散乱による高輝度X線発生と,それを用いた軟X線顕微鏡の実現を目指した研究を行っている。本年度は電子ビームの高品質化と診断システムの高度化、レーザー強度の向上に関する検討を行った。具体的には、電子ビームの発生についてきわめて詳細に検討を行い、従来から行っている斜め入射法を高度化した、電子発生用励起レーザーのプロファイル整形を通じ、電子ビームエミッタンスを従来の半分以下という良好な値とすることに成功した。まだ、同時に電子発生用のカソードに垂直にレーザーを照射する方法も試みたところ、プロファイル整形法とほぼ同等のエミッタンスを得られることが分かったが、この方法では、電子の電荷を十分に引き出すことが難しいことも分かった。これらの結果から、今後は電子発生用のレーザー入射は斜め方向から、プロファイルを整形して利用することとした。 この一方でレーザーの高出力化についても後置アンプを巧みに利用し、10mJを超える値を達成する目処がたった。X線発生についても、電子ビームの高品質化に先立ち、レーザーパワーの増強による効果を見たところ、従来得られていた値を2.5倍上回る良好な結果を得ており、今後、高品質化した電子ビームを用いた衝突実験を通じさらに高輝度なX線発生を目指す。 また、本年度はX線露光用のレジストの高感度化についても詳細に検討し、従来より一桁以上も、感度を上げることに成功した。
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