2005 Fiscal Year Annual Research Report
高分子系のマクロな粘弾性特性に対する動的自己無撞着場理論の展開
Project/Area Number |
16340120
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川勝 年洋 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)
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Keywords | 自己無撞着場理論 / 動力学 / 高分子濃厚系 / 相転移 / レプテーション / ジャイロイド / ブロック共重合体 / 粘弾性 |
Research Abstract |
10〜100nmのスケールの高分子の平衡状態における組織構造を理論的に計算する手法である自己無撞着場理論を動的に拡張する試みを、昨年度に続き押し進めた。 具体的には、以下の諸問題を理論的および数値シミュレーションで解析した。 1.高分子濃厚系のレプテーション理論の再構築 組織構造を持たない空間的に均一な高分子濃厚系の粘弾性特性を記述する理論として確立しているレプテーション理論を自己無撞着場理論と融合するために必要となる手続きとして、鎖の分度配向分布をもちいてレプテーション理論を再定式化する必要があるが、従来我々のグループで提案してきた方法が、イギリスLeeds大学のMcLeish教授らによって最近提案された最新のレプテーション理論(レプテーションのみならず、色々なミクロな動的効果が含まれている)に帰着することを理論的に証明した。これによって、我々の動的自己無撞着場理論の鎖ダイナミクスのパートの正当性が証明された。 2.ブロック共重合体の秩序-秩序相転移のダイナミクス ブロック共重合体の示す双連続ドメイン構造として有名なジャイロイド構造に、ずり流動および電場を印可したときに、シリンダ構造に転移する転移のプロセスを動的自己無撞着場理論をもちいてシミュレートした。転移前後の構造の間の結晶構造の整合性(エピタキシー性)に関して、従来、散乱実験等で報告されてきたダイナミクスとは異なるミクロなダイナミクスを発見した。
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Research Products
(2 results)