2006 Fiscal Year Annual Research Report
高分子系のマクロな粘弾性特性に対する動的自己無撞着場理論の展開
Project/Area Number |
16340120
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川勝 年洋 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (20214596)
|
Keywords | 高分子濃厚系 / 粘弾性特性 / 動的自己無撞着場理論 / 経路積分 / レプテイション / メソフェーズ / 不均一系 / 構造相転移 |
Research Abstract |
本研究では、以下の項目に対してモデル化とシミュレーションを行い、一定の成果を上げることができた。 鎖配位に立脚する粘弾性構成方程式のモデルの精密化と検証 昨年度までの研究で、自己無撞着場理論と組み合わせる粘弾性構成方程式のモデルとして、鎖の各結合の配向分布の異方性を表すテンソル量を用いた応力場の計算手法を提案してきた。この手法は、従来レプテイション理論として知られる粘弾性のミクロな計算手法の拡張になっており、従来手法を再現できるばかりでなく、空間的不均一系への適用も可能となっている。我々は、このモデルを用いて、ジブロック共重合体のラメラ相および無熱溶媒に浸ったホモポリマー濃厚溶液のそれぞれにずり流動を印可した系のシミュレーションコードを開発した。従来用いていた1次元系のコードを2次元に拡張することが必要になるため、本年度はシミュレーションコードの拡張とテスト計算を行うことで、モデルの正当性を検証できた。 流体力学相互作用によるブロック共重合体のメソフェーズ形成の動力学 流体力学相互作用をexplicitに取り入れた動的自己無撞着場理論の開発を行い(JCII本田隆氏との共同研究)、流体相互作用の下で相分離の動力学が受ける影響を調べた。流体力学相互作用の存在により相分離が加速されることやドメイン構造によっては流体力学工かがなければ平衡状態が生成され得ないことが示された。
|