Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 哲朗 北海道大学, 工学研究科, 教授 (00002056)
三浦 裕行 北海道大学, 理学研究科, 講師 (70157436)
中川 光弘 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50217684)
田口 幸洋 福岡大学, 理学部, 教授 (00108771)
今井 亮 九州大学, 工学研究院, 助教授 (90223304)
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Research Abstract |
島弧の地質・テクトニクス環境における陸上-海底形成場では,活発な火山活動に伴う熱水活動と時空的に密接な関係をもつ多様な熱水性鉱床の形成が知られている.本研究では,島弧環境における各種熱水性鉱床の成因的因果関係の解明と重金属移動とマグマ活動の重要な役割について,時空関係を考慮した鉱床形成モデルの構築を行うことを目的としている. 本研究課題の初年度は,これまで研究・蓄積されてきた以下の各種鉱床(特に含金鉱化作用を伴う)の基礎的記載データの整理と再検討を行った;多金属型熱水性鉱脈鉱床及び高硫化系金鉱床,低硫化系浅熱水性鉱脈型金鉱床,黒鉱鉱床,斑岩型銅鉱床.さらに,本研究課題の展開において重要な意味を持つ,次の課題についても調査研究を分担で行った;北海道-東北地域のグリーンタフ層序とテクトニクス場,北海道-千島弧におけるマグマ活動,各鉱床型における鉱石・脈石鉱物種および化学組成,各種安定同位体比データの整理,活動熱水の地球化学データ.これらのうち,特に地質環境,生成年代,鉱石鉱物の共生関係と化学組成,鉱物組織,物理化学的生成条件,変質作用,安定同位体,生成環境等に焦点を絞り,問題点の抽出と今後の補足的検討事項を明確にした上で,現地調査実施のための予備的指針を得た. 現地調査は分担して行い,特に北海道,東北日本を対象とした各鉱床地帯における熱水変質作用と胚胎母岩の再検討,鉱化作用における関係火成岩の特定,及び各種鉱石・脈石のサンプリング等を実施した.また,調査の対象となった各種熱水性含金鉱床の地質学的・テクトニクス的背景を,これまでの公表済みデータから再評価,現地地質調査結果と総合して,特に各鉱床の時間的・空間的配置の位置付けを試みた.これら初年度の初動調査によって得られた予備的成果から,次年度以降の研究計画の立案と北方の千島弧-カムチャッカ半島に至る研究対象の拡大を意図した研究計画を講じた.
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