2005 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋破断が発生したASR劣化橋脚の調査診断及び補強技術の実用化のための研究開発
Project/Area Number |
16360218
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鳥居 和之 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50115250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 康男 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00089476)
桝谷 浩 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20157217)
久保 善司 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (50324108)
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Keywords | アルカリシリカ反応(ASR) / 補修 / 補強 / モニタリング / リサイクル骨材 / 調査・診断 / 現地計測 / アルカリ溶出試験 |
Research Abstract |
平成17年度は,ASR劣化橋脚の調査診断及び補修・補強技術の開発に関して,以下に示す研究を実施するとともに,「コンクリート構造物の維持管理」に関する2回の研究会並びに「ASR劣化構造物の維持管理と補修・補強」に関する特別講演会を金沢にて開催し,研究成果の公表にも努めた. (1)石川県の反応性骨材の特徴とASR劣化橋梁の分布状況 石川県の能登地方にはASR劣化橋梁が多く存在し,鉄筋破断が発生した構造物が20例ほど発見されている.このため,石川県で使用されてきた骨材の岩石・鉱物学的特徴及びそのアルカリシリカ反応性について詳細に調べるとともに,石川県におけるASR劣化橋梁の分布状況と使用骨材との関連性について考察した. (2)リサイクル骨材及び人工軽量骨材のアルカリシリカ反応性とその評価手法の開発 ASR劣化橋脚から製造された再生骨材のアルカリシリカ反応性を評価するために,能登地方で梁の打ち替えが実施された橋梁(鹿島橋)の現況調査と再生骨材のモルタルバー法及びコンクリートバー法による促進養生試験を実施した.また,近年,人工軽量骨材を使用したコンクリートにてASR劣化の事例が報告されており,人工軽量骨材のアルカリシリカ反応の発生条件とその評価手法について提案を行った. (3)ASR劣化構造物のモニタリング技術の開発 能登有料道路の3つのコンクリート構造物(フーチング(徳田2号橋),橋脚梁部(鹿島橋)及びトンネル(穴水トンネル))にて補強設計に必要となる現況調査を実施するとともに,亀裂変位計及び光ファイバーによりひび割れなどの長期動向をモニタリングする技術を開発した. (4)骨材からのアルカリ溶出性状の把握とその試験法の提案 火山岩系の骨材にはアルカリ成分が多く含まれており,骨材からのアルカリ溶出が長期にわたるASR膨張挙動に影響を及ぼしている可能性がある,このため,北陸地方の骨材からのアルカリ溶出性状を調べるとともに,わが国の骨材に適したアルカリ溶出試験法の提案を行った. (5)ASR劣化構造物の補修・補強技術の開発 ASE劣化構造物の補修材料として使用されるシラン・シロキサン系発水材によるアルカリシリカ反応抑制効果を比較検討するとともに,炭素繊維シート及びアラミド繊維シートによる構造物のはく落防止工法を提案し,実構造物の補強に適用した.
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Research Products
(6 results)