Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福手 勤 東洋大学, 工学部, 教授 (70366516)
秋山 哲一 東洋大学, 工学部, 教授 (30111917)
吉本 國春 東洋大学, 工学部, 教授 (90307778)
北脇 秀敏 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (60251344)
松野 浩一 東洋大学, 工学部, 教授 (40328646)
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Research Abstract |
循環型社会に適応する木造住宅の構法を提示することを目的として,伝統的構法による木造軸組み工法住宅の実験的研究を行っている.今年度は,実験住宅に使用している耐力壁(土壁)の構造性能を明らかにすることを主題にして実験を行うとともに,木造住宅の部材特性を考慮して,廃木材の再資源化に伴うCO2排出量,付加価値を算出し,再資源化技術の環境効率を比較した. 実験住宅に採用した土壁に関して,その下地から耐力要素毎に試験体を作成して,繰り返し載荷実験を行い,新築・再築という条件を加える.それらの条件のもとでの耐力要素毎の剛性,耐力,変形性状を明らかにして,木小舞による土壁の構造性能を評価する評価する. 試験装置は,タイロッド式(JISA1414)を採用した.載荷方法は載荷速度0.05cm/秒程度で変位制御をパソコンソフトで制御する自動載荷システムを用いた.試験体は貫壁12体,木小舞壁3体、土壁2体,合計17体である.その結果,木小舞を用いた土壁はある程度の初期剛性を有し,かつ大変形領域まで粘るという特性を持っていることが明らかとなり,建物の耐震性能を強度ではなく,粘りで確保しようとする伝統的な建物にはよく合うことが分かった. 最後に,エンジニアードウッド化,製紙化,燃料用チップ化を対象として,木造住宅の部材特性を考慮した再資源化技術の環境効率を比較した結果,燃料用チップ化による熱回収,建材化,製紙原料化の間には大きな差が見られないことが明らかとなった.廃木材の供給量と再資源化利用の需要量の地域バランスなどの地域特性を考慮して,木材再資源化施策への展開を図ることが,今後の課題となる. 循環技術の地域展開による都市再生のシナリオを構築して検証するための地理情報データベースのプラットフォームをWeb上に形成するための論理フレームを構築するとともに,その試行的利用を行った.
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