2004 Fiscal Year Annual Research Report
原風景ヒアリング法を用いた歴史文化遺産をとりまくバッファゾーンの景域保全計画
Project/Area Number |
16360303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
神吉 紀世子 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (70243061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 友常 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20304181)
平田 隆行 和歌山大学, システム工学部, 助手 (60362860)
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Keywords | 世界遺産 / 文化的景観 / ボロブドゥール / 高野・熊野 / ヒアリング / データベースシステム / 景域 |
Research Abstract |
本研究は、世界遺産クラスの歴史文化遺産をとりまく農山村地域の文化的景観を保全するための実践的な手法として、原風景ヒアリング法による情報収集とそれらを活用したデータベースシステムの開発を目的としている。 本年度は、国内事例として、高野・熊野の世界遺産登録参詣道沿道集落の調査、インドネシアの事例としてボロブドゥール寺院周辺の農村集落の調査を実施した。 とくに、ボロブドゥール寺院周辺に関しては、海外研究協力者の尽力もあり、3つの村において調査を行うことが実現し、平成16年8〜9月にかけて、集落建物の調査、土地利用図の作成、ヒアリングの収集を行うことができた。これらによって、国内外の研究対象地に関して、基本的な景域要素のリスト化作業の4割程度が完了したと考えている。 景域要素とヒアリング内容を整理蓄積するデータベースシステムの開発については、データベースの基本フォーマットを、10月頃に一度確定し、ボロブドゥール寺院周辺の3村調査結果について、入力を随時行ってきている。なお、平成17年3月には、海外研究協力者の尽力によって追加のヒアリング調査が行われており、データベース開発をさらに進める予定である。 以上の作業から、研究調査の途中経過とはいえ、一定の知見や提案が得られ、日本での研究集会の開催と、国際会議への参加応募を行った。 平成17年1月に、日本建築学会近畿支部農村計画部会の協力を得て、大阪府貝塚市を会場に、研究集会「ボロブドール地域の文化的景観保全と村づくりに関する公開セミナー1」を開催した。これには、海外研究協力者とその他1名を招聘し、集落建物の実測結果、緑地空間の特色について報告、さらにデータベースシステムのアイデア・フレームを公開した。さらに、平成17年4月に英国・ニューカッスルで開催予定の「Forum UNESCO Heritage and University 10th International Seminar, Cultural Landscape in 21 century」の論文公募に、平成16年度のボロブドゥール地域での研究実績について再整理したものを応募し(共著)採択された。
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