2006 Fiscal Year Annual Research Report
原風景ヒアリング法を用いた歴史文化遺産をとりまくバッファゾーンの景域保全計画
Project/Area Number |
16360303
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神吉 紀世子 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70243061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 友常 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20304181)
宮川 智子 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (30351240)
平田 隆行 和歌山大学, システム工学部, 助手 (60362860)
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Keywords | 景域計画 / 世界文化遺産 / データベース / 原風景ヒアリング / 集落 / ボロブドゥール / 紀伊山地の霊場と参詣道 / バッファゾーン |
Research Abstract |
本研究は、「原風景ヒアリング法」国内外の実例に適用し、手法の精度を確立することと成果の国際的発信を目的としている。この手法は、居住者の生活活動についてのヒアリング成果を、ヒアリング結果に関連する景域要素の地理的分布とあわせてデータベースに構築し運用することで、景域の保全管理計画に充てるもので、国外ではボロブドゥール寺院遺跡周辺の農村地域、国内では高野山・熊野参詣道の周辺地域を取り上げた。 国内事例については、原風景ヒアリング法による調査を完了、既刊されている地形図や文献の情報にはない、景観管理上の留意点につながる情報を集積した。インドネシア・ボロブドゥール地域については、これまでに引き続き、対象集落である、ギリテンガ・チャンディレジョ・リンギンプティの3村全部で、PCべースと紙媒体べースを用いた住民によるデータベース評価を完了した。若年層と高年齢層の間での村内景観資源に関する情報格差がみられ、これを埋める手段として評価された。そこで、これらの成果の国際的研究発表として、平成18年9月のForum UNESCOの論文公募に応募し採択され発表を行った。その際、インタビュー・べースの情報についての正確性の確認等についての意見や助言を得た。また、昨年度に引き続き、インドネシア・ガジャマダ大学主催の国際ボロブドゥール・フィールド・スクールにおいて、成果の一部を公表し、さらに、同地域で持続的農村観光に取り組んでいる団体・専門家にインタビューを行った。この結果、住民むけと同時に農村景観に関心をもつ来訪者むけの良質な情報としての活用の必要に関する提言を得た。 以上の議論をふまえ、さらに、研究代表者らが国内事例(和歌山県湯浅町)について既に別途試作していたウェブログベースのデータベース実験の知見も援用し、公開運用むけデータベースのひな形を、新たに開発した。
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Research Products
(5 results)