2004 Fiscal Year Annual Research Report
線虫の筋肉遺伝子の発現時期と発現量を決める転写因子の単離同定
Project/Area Number |
16370005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
香川 弘昭 岡山大学, 理学部, 教授 (10022732)
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Keywords | C.elegans / 筋肉潰伝子 / 転写制御因子 / 体壁筋 / GFP(蛍光タンパク質) / RNAi / 酵母ツーハイブリッド / ウエスタン解析 |
Research Abstract |
1 線虫の体壁筋遺伝子の発現制御に関わる新規蛋白質LIM-8のN端側がCeMyoDと結合することを酵母ツーハイブリッドシステムで確認した。次に、LIM-8のGFPレポーター遺伝子を用いた蛍光観察により体壁筋、浸透圧調節細胞、間隙細胞など多数の組織で発現することを明らかにし、LIM-8に対する抗体を用いた免疫組織学的手法で体壁筋の核内に存在することを観察した(16年度購入蛍光装備付き実体顕微鏡)。RNAi法によりLIM-8を除去しても筋肉の形態に変化は見られなかったが、レポーターGFPの蛍光量が減少して、線虫の運動速度は20%減少した。LIM-8のN端側と中央部の核外移動シグナルを除去するとトロポニンCの量が12%および35%増加した。LIM-8遺伝子の熱誘導による強制発現では体壁筋特異的なミオシン重鎖とトロポニンCの量がともに増加することをウエスタン解析により確かめた。以上ことからLIM-8は体壁筋の核内でCeMyoDと協同して遺伝子発現に関わっていると結論できたので投稿論文を準備中である。 2 CeMyoD遺伝子にある3つのエンハンサー配列のうち、一つの配列にCeMyoDが結合することを酵母のワンハイブリッド法を用いて確かめた。別のエンハンサー配列に結合する新規蛋白質CeTIS11のGFPレポーター遺伝子を線虫に形質転換して観察した結果、咽頭筋および体壁筋で発現することを確認した(16年度購入蛍光装備付き実体顕微鏡)。抗体を作成したのでさらに詳しい細胞内局在を調べている。RNAi法によりCeTIS11を除去したときに、線虫の著しい運動不良が起こることを明らかにした。以上の結果はCeTIS11はLIM-8と結合して体壁筋遺伝子nの発現量を促進していることを示唆する。 3 トロポニンIの4つのアイソフォームについて発現場所、発現制御配列についての結果を論文に発表した。組織特異的な発現制御領域の限定は現在行っている。
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