2004 Fiscal Year Annual Research Report

マイクロCTによる化石ホミニド・類人猿骨格の骨梁分析

Research Project

Project/Area Number	16370104
Research Category	Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
Research Institution	Kyoto University
Principal Investigator	中務眞人京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00227828)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	荻原直道京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70324605) 国松豊京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111) 平崎鋭矢大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助手 (70252567)
Keywords	骨梁 / バイオメカニクス / CT / 類人猿 / 二足性 / ホミニド / 化 / アフリカ
Research Abstract	この研究は、化石資料の骨梁分析より、鮮新世ホミニドの二足歩行の歩容(bent-hip bent-kneeタイプか否か)、中新世類人猿の運動様式の解明を目指している。これらの股・膝関節関と脊椎の椎体の海面質骨梁をマイクロCTによって非破壊的に精密計測し、その三次元的構造特性を分析する。また、二足性に適応したニホンザルの運動解析運動解析を行い、bent-hip bent-kneeタイプの歩行による身体負荷、特異的な骨梁パターンの解析も行う。化石標本の計測について、ケニア国立博物館(ケニア国、ナイロビ)に赴き、資料の選定とX線透過性の調査を行った。化石類人猿ナチョラピテクス資料については比較的透過率が高く鮮明な画像が得られることが期待されたが、トゥルカナ湖周辺から出土している化石ホミニド資料については材質の密度の高さから、CT撮影にかなりの時間がかかることが明らかになった。またこれら化石資料のタフォノミーについて現地調査を行った。参考資料としてbent-hip bent-knee型の二足歩行を行う猿まわしのニホンザルの運動解析と膝関節の骨梁解析を行った。長期の二足歩行訓練を受けたニホンザルは、通常の実験用サルと異なり、ヒト的な倒立振子の原理を利用した歩行特性を示すことがビデオ解析と床反力分析により認められた。膝関節については、骨梁の異方性が低下する特徴が認められたが、平均的な骨梁の走行方向には通常のニホンザルと違いが現れなかった。これは二足姿勢といえども、膝が半屈曲姿勢を維持していることを反映していると考えられる。これら以外に、比較標本計測のため、スミソニアン博物館にCTを輸送し所蔵霊長類標本約40固体の撮影を行った。